2012年6月4日

関東・鉄スクラップ、今年最安値

 国内鉄スクラップ市況は続落し、関東地区では今年に入り2月以来の最安値水準となった。国内電炉最大手の東京製鉄が1日入荷分から、荷受け止めの宇都宮工場を除く全工場で1000円の買値引き下げを実施し、他メーカーにも同様に値下げの動きが広がっている。電炉メーカーの鉄スクラップ消費が伸びない半面入荷は堅調。

 一方でけん引役の輸出市況が、5月末に韓国向けの新規成約価格でFOBトン3万円を割り込むなど、下落傾向を鮮明にしたことも値下げムードを助長した。国内市況は直近ピークだった4月当初から約5000―5500円前後の下落幅に達しているが、依然として続く円高環境や欧州の経済不安も懸念材料に、「反転タイミングを見いだしにくい環境」(商社)にある。