2012年8月17日

翻弄されるステンレス業界 ニッケル価格なおも弱含み 逆ザヤで赤字企業増

 ニッケル価格に翻弄され続けるステンレス業界――ステンレス市況を左右するLMEニッケル価格は、8月に入り弱含みで推移している。

 15日までの平均価格はポンド7・01ドルと辛うじて7ドルをキープしているものの、「7ドルを切ると再び市況が下落する」と懸念する声が流通業界を中心に出始めている。これまで市況は粘り強く25万円以上をキープしてきたからだ。ニッケル価格は10日から15日までのLME4営業日のうち、3営業日が6ドル台となるなど、月半ばからの弱含みが顕著だ。

 流通では販売価格が仕入れ価格を下回る逆ザヤが常態化するなど赤字企業が増えている。業界の地盤沈下で、新たな再編の声も聞こえ始めた。