2018年1月25日

橋本鉄流懇会長 需給バランスが好転 市場動向重視の対応推進

鉄鋼流通問題懇談会は24日、東京・日本橋茅場町の鉄鋼会館で定例会合を開催した。橋本直政会長(JFEスチール常務執行役員)は鋼材需給について「内外とも需給は締まっている。海外は中国の地条鋼の撤廃に始まり、国内需要もきっちり出始めた」とし、需給バランスが良くなっているとの認識を示した。その上で鋼材市場が順調に推移している情勢を踏まえ「この流れを維持していく」と市場動向を重視した対応を進める考えだ。

GDPが伸び、雇用も増加している状況下で「需要が出ると同時に、物価も上昇し、収益が上がって、モノの生産が増加するという好循環が動いてきている」としマクロ経済が軌道に乗っていることを強調。「市場の環境は整っており、(メーカーとして)このトレンドを守る」と言及した。

全国鉄鋼販売業連合会の阪上正章会長(清和鋼業社長)は「需要は堅調」としつつ、牽引しているのは自動車、建機が中心となり、全鉄連の販売統計では、前年同期比では微増に留まっている点を指して「状況は悪くはないものの、大幅な販売増にはつながっていない」と慎重な見方を明らかにした。

ただ、薄板類ではメーカーによる引き受けカットなど需給がタイトで「アンケートでは不足気味回答が増加している」と説明。「その他の品種もミート、やや不足の回答が多く、余剰感は見当たらない」とし、需給が引き締まっているとする見解を述べた。