2013年10月25日

世紀の大合併から1年―新日鉄住金、世界最強を目指す― ―6― ■第2部 鉄鋼事業(1)販売戦略 ブランド製品6000―7000万トンへ

自動車・資源エネルギー・インフラ向けなどの高機能商品とコスト競争力を武器に、高級鋼市場のシェアを維持・拡大するとともに、東アジアなど成長するローカル市場の汎用品需要を捕捉していく。

これが新日鉄住金の鉄鋼事業のグローバル販売基本戦略となる。

世界トップを走る技術先進性と世界最強を目指すコスト競争力を販売力に結びつけ、伸びる世界の鉄鋼需要を捕捉。新日鉄住金ブランド製品の販売量を中長期的に6000万―7000万トンへ拡大していく。

メーンターゲットは「自動車向け高級鋼」「資源エネルギー」「鉄道・建築土木等インフラ関連」の戦略3分野。

「高機能商品の開発力」と「需要家への総合ソリューション提案力」をさらに磨き上げ、「アフターサービスはもちろん、ビフォーサービスをさらに強化し、開発段階から一緒になって高機能鋼材などの新商品を開発する取り組みを続けていく」(友野宏社長兼COO)。

【世界最強の供給網】

販売面の最大の経営統合シナジーは、「商品群と加工技術群の組み合わせで、ラインアップが大きく広がった」(樋口眞哉副社長)ことだろう。旧新日本製鉄からすると、油井管や鉄道車輪などの商品、3DQ(3次元熱間曲げ焼き入れ)などの利用加工技術が加わり、ソリューション提案力は格段に高まった。

鉄鋼事業の販売力強化策の一つが、グローバル戦略の推進。世界最大規模だった旧新日鉄のグローバル生産・販売ネットワークが、まず統合によって分野・地域ともに広がった。さらに両社が進めていた新規・追加投資事業が相次ぎ動き出し、供給網は拡大を続けている。