2017年6月14日

廃棄物処理法・バーゼル法改正 金属リサイクルへの影響(上) 廃棄物処理法/扱い業者に適正管理促す

廃棄物処理法とバーゼル法(特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律)の改正案が9日の国会で成立した。廃棄物処理法は2018年6月、バーゼル法は同12月までに改正法が施行される。今回の法改正の柱は雑品スクラップ、使用済み鉛バッテリー、廃基板など金属スクラップの規制に関わる内容の変更であり、今後の国内金属リサイクル業界に少なからず影響を与えるとみられる。両法は具体的にどのように改正され、手続きなどがどう変わるのか解説する。

環境省は今回の廃棄物処理法の改正で「有害使用済機器」という新しい概念を取り入れ、それを含む雑品スクラップの取扱業者に適正管理を促す。具体的には対象機器の保管・処分を行う業者に都道府県知事への届出を義務付ける。

雑品スクラップの規制が強化されるという印象が強いが、環境省担当者は「あくまで法律で規制するのは雑品スクラップではなく、有害使用済機器、もしくは有害使用済機器を含んだスクラップ」と話す。対象者が事業を継続して行っていくには、届出と処理基準の順守が必須となる。

その有害使用済機器とは何かだが、法律的には適正な保管をしなければ生活環境保全上の支障が生ずる恐れが高いものとされる。具体的にどういった機器かは、環境省や経済産業省の専門委員会で有識者を交えて今後話し合い、1年後の施行までにリスト化する。処理基準も同様に今後議論する。

有害使用済機器が指定されることで従来と大きく変わるのは、有価で買えば廃棄物に該当しないという理論が通用しなくなるということだ。リユース目的以外で対象品目を収集運搬する業者は、必ず届出が必要になる。

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