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技術が生み出す新素材、素材から生まれる新発想―大同特殊鋼

2010年07月30日(金)
 高炉4社の2010年4―6月期連結決算が29日出そろったが、国内外の鉄鋼需要回復によって、鋼材の生産・販売量が戻り、4社ともに前年同期の経常赤字から黒字転換した。ただ4月からの主原料の大幅な値上がりに、鋼材価格の改定が追いつかず、新日本製鉄の場合で「マージンがトン3000円悪化」(谷口進一副社長)するなど、厳しい経営環境が続き、JFEホールディングス、住友金属工業の2社は前四半期比で経常減益となった。

 7―9月期は、主原料価格がさらに上昇する一方で、前四半期にあったキャリーオーバー(前年度契約分の低価格原料の使用)効果が薄まり、好調だった輸出も減少傾向にあるなど、一段と環境は厳しくなるが、中間期は4社ともに前年同期の赤字から黒字化する見込み。
 日新製鋼は29日、高耐食溶融めっき鋼板「ZAM」の月産能力を6万トンに、2割増強すると発表した。約15億円を投じて市川製造所(千葉県)の設備を改造し、1年後に生産を開始する。当面の需要増対応と、東日本での生産開始による市場開拓などが狙い。同社は戦略商品、ZAMの一層の拡販をめざし、同10万トン体制に向けたライン新設の検討も進めている。
 三菱製鋼は29日、インドネシアの電炉メーカー、ジャティム・タマン・スチール社と、ばね平鋼用の鋼片製造の技術支援契約を締結したと発表した。

 日本から輸出していた鋼片を、ジャティムでの生産に切り替え、現地大手ばねメーカーのインドスプリング社に平鋼を供給する。コスト競争力を引き上げ、需要家の現地調達ニーズに応える。鋼片の海外生産委託は初めて。輸出していた鋼片を新たな販路に振り分けることも視野に入れている。
 インド国営最大の鉱山会社、ナショナル・ミネラル・ディベロプメント(NMDC、ラナ・サン会長)は、国内の製鉄所建設に向け、神戸製鋼所製の新製鉄法ITmk3の導入を検討している。年産能力50万トンを想定。

 低品位鉱石から高品質の粒状鉄(アイアンナゲット)を生産する同設備の機能を評価した。インドでは国営鉄鋼メーカー最大手のSAILも導入を検討しており、鉄鋼生産が拡大する新興国で採用が広がりそうだ。
 韓国や中国などアジアの異形棒鋼市況は、小幅ながら反発した。世界的に鉄スクラップ価格が底固めの局面にあるほか、メーカーの減産が奏功、底値から韓国でトン3万―4万ウォン(2000―3000円)、中国で100元(1000―1500円)切り上がった。ただ、台湾市況はいまだ続落するなどバラツキがあり、今後上昇トレンドが続くかは不透明な情勢だ。