2014年12月3日

東洋アルミ、箔カレンダー 山本探淵作の六曲一双屏風 『李白観瀑・携琴訪友図』鮮やかに

 東洋アルミニウム(本社=大阪市中央区、山本博社長)が毎年製作しているアルミ箔製カレンダーがこのほど完成した=写真。

 2015年版は、山本探淵作の六曲一双屏風「李白観瀑・携琴訪友図」(七宝庵コレクション蔵)を題材とした。右隻で滝を眺める人物は当時、漢詩をたしなむ禅僧のあこがれの存在だった李白とされる。左隻には、琴を携える童子を連れた高士の訪れを、庵(いおり)の主人が喜んで迎える様子が描かれている。

 この李白観瀑・訪友図はともに、室町時代以降、屏風やふすまに数多く書かれた画題で狩野派が得意とする。作者の山本探淵も狩野派の流れをくむ鶴沢探泉の門人。金箔に多様な金砂子を組み合わせたきらびやかな画面に、鮮やかな色彩で人物や風景を描き、良質な緑青が華やかさをより高めている。

 同社では、屏風の魅力を再現するため、アルミ箔素材を下地に金独特の表現にこだわり、高度な印刷技術で仕上げた。