2016年1月21日

三条商工会議所・三条商鉄組合、谷藤編集局長が講演「鉄鋼業の展望と課題」

 三条商工会議所鉄鋼部会と三条商鉄組合の共催による講演会が18日、新潟県三条市の商工会議所チェンバーズホールで行われた。講師を務めたのは産業新聞社の谷藤真澄取締役編集局長で、会員企業関係者80人以上を前に鉄鋼業の展望と課題について講演した。

 谷藤編集局長は2011年から15年にかけての国内外の10大ニュースを通して鉄鋼業の動きを解説。国内では高炉の再編や設備集約の進展、普通鋼電炉の構造改革、海外事業展開、商社の再編、鋼材流通や鉄スクラップ業界での連携やM&Aの加速などに触れ、「いずれも大きな経営判断がなされてきた」と語った。

 海外鉄鋼業については主に中国の供給過剰問題やそれに起因する鋼材市況などへの影響などに言及し、「中国の供給過剰問題が収束するには4、5年はかかると覚悟する必要がある」と話した。

 また今後の国内鉄鋼需要については、「2020年過ぎまでは堅調に推移するが、少子高齢化に歯止めがかからない限り、長期的には減少する」との見方を示し、「海外市場は4、5年後には環境が好転する可能性があるため、この4、5年間に国内では企業間の連携や経営統合などの構造改革を進め、海外需要を取り込む体制を整備することで展望を拓くことが可能になる」と強調した。

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