2017年5月19日

NSSOL 有志6人で小説執筆 縁の下の仕事アピール

「シンギュラリティー」。技術的特異点と訳されるが、人工知能(AI)が人間の能力を超える分岐点とされる。IoT、ICTなどIT技術が注目を集める中、新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)の有志6人が結成した「チーム2045」がこの「シンギュラリティー」をタイトルに冠した小説を執筆し、3月に刊行した。

縁の下の力持ちになりがちなSIer(システム・インテグレーションを行う企業)の仕事を知ってもらうことが執筆動機で、メンバーの本務は営業、システムエンジニア、総務、ITインフラなどバラバラ。概ね入社10―15年の人たちが集まった。登場人物のキャラクターシート作成、合宿など工夫を重ね、約1年掛けて完成させた。

物語は政府直轄の特命組織の管理官・竹下結衣のもとに「完全なバーチャルオフィスを構築せよ」という命令が下されるところから始まる。IT開発のPDCAを繰り返す中、担当者のプライドからの衝突、政府からの無茶な要求、妨害を目論む組織など、現実と仮想空間を行き来するミステリー小説になっている。NSSOLの開発現場や研究所などを彷彿とさせる場面も多い。

執筆者の1人である広報・IR室の森井友美さんは「ITは使い方次第で良くも悪くもなるもの。SIやプロジェクト開発がどう進むのか、ITに詳しくなくても普通の読み物として読める内容なので、多くの人に読んでもらいたい」と話す。第2作の検討も始まっているようだ。

発売は幻冬舎、定価1300円(税別)。全国の書店で販売中。