2001.10.05
新 日本製鉄は、今年度上期から実施している粗鋼減産を下期(10―3月)でもう一段強化する。同社の今年度上期粗鋼生産実績見込みは1320万トン。前年度上期実績比で109万トン減、同下期比では34万トン減と、他社に先がける形で上期から減産態勢にシフトしている。しかし、過剰在庫の圧縮と国内、輸出とも価格改善が待ったなしの緊急課題となってきたことで、同社はもう一層の生産・出荷の絞り込みが必要と判断、減産を強化する。

 高炉の粗鋼減産はこれまで計画減産には消極的だった川崎製鉄が「第3・四半期(10―12月)生産を最大で30万トン減産し、必要なら第4・四半期も継続する」(數土社長)方針を打ち出したことで、同業各社が相次いで当初計画を修正。需給調整に向けて足並みがそろってきたことで、新日鉄も「上期から実施している減産を、下期はさらに強化する」(増田規一郎・取締役営業総括部長)方向で作業を進めている。

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住 友金属工業は、下期の粗鋼生産計画を見直し、上期比で50万トン以上の減産を実施する。「薄板在庫が大幅に積み上がり、市況も経験したことがない水準まで落ち込んでいる。在庫圧縮と陥没価格の是正に向けて根元からの思い切った減産が必要と判断した」(加藤幹雄副社長)。

 景気停滞、鋼材需要低迷により8月末の国内薄板3品種在庫はメーカー・問屋合計で年初来ピークとなる約470万トンに達し、前年同月比でも約34万トン増加している。供給過剰により国内の薄板市況も軟化を続け、国際的にも低水準に落ち込んでいる。足元の国内市況は「設備投資、研究開発投資ができないレベル」(同)という。

 住友金属としては、このような状況を勘案して下半期の粗鋼を上半期比で50万トン減産することを決めた。「第3・四半期に少なくとも25万トンを減産、4・四半期は未定だが、下半期で50万トン以上落とす」(加藤副社長)。鋼管、厚板がフル生産ペースを維持していることから、具体的に減産は「和歌山、鹿島の両製鉄所での薄板の国内・輸出向けが中心となる」(同)。

川 崎製鉄は4日、極厚H形鋼700×500シリーズが「飯田橋地区土地区画整理事業施工区域内の(仮称)飯田橋中央街区計画」に建設される「(仮称)JR貨物業務・商業棟」の柱材として鹿島JVに約3000トン採用されたと発表した。

 極厚H形鋼は、高層建築物の柱材として広く使用されている「ボックス柱」に匹敵する大断面を有しているうえ、溶接ではなく、圧延で製造することから信頼性、製造コスト面でメリットが大きく、新しい柱材として使用されている。

 同社では、従来の400×400、500×500シリーズに加え、700×500シリーズも製造可能だ。700×500シリーズは、500×500シリーズと比較して、同じ断面積の場合、強軸方面の断面係数が約20%、断面二次モーメントが約40%増加する。

 優れた断面性能により、とくに一方向の剛性・耐力が主に必要となるベアリングウォール架構柱では、従来の極厚H形鋼シリーズの柱やボックス柱を使用するよりも柱重量の低減が図れ効率的な設計が可能。また、柱弱軸方向に適切な制振デバイスを組み合わせることで、耐震・制振性能に優れた高層建築物にする。

 経済性に関しては、柱素材の製造コストのメリットに加え、鉄骨製作の施工性、品質管理の容易性、鋼重低減効果により、トータル鉄骨工事費の低減が可能となる。

神 戸製鋼所はこのほど、金沢医科大学病院の新棟建築工事(石川県河北郡)向けでダイアフラム付き円形鋼管柱「KBコラム」を840トン受注、11月から順次、納入する。今回のように同製品をまとまった数量で受注するのは初めてに近いケース。今後は委託生産している佐々木製鑵工業(本社=兵庫県伊丹市、佐々木克義社長)と連携を強化し、首都圏など全国での受注拡大を目指す。

 ここ数年、建築物件の高層化や柱の強度の向上に伴い、CFT(コンクリート充填鋼管柱)構造の需要が増加している。こうした需要の拡大に対応するため、神戸製鋼所は1999年に、佐々木製鑵工業と共同でKBコラムを開発した。

 同年12月には関係会社の神鋼パンテツクの新本社ビルの建築向けで200トンを初受注。昨年からは本格的な販売を展開していたが、このほど、金沢医科大学病院の新棟建築工事向けで840トンと、まとまった数量を受注した。

 同工事の概要はS&RC構造で地下1階・地上12階建て、建築延べ床面積が5万2077平方メートル。ゼネコンが清水建設、ファブリケーターが本田鉄工、堀井鉄工。

小 棒専門販売業の秋山鉄鋼(本社=東京都中央区八丁堀、岡本英次社長)は、来年9月末をメドに自主廃業することを決めた。創業以来黒字を維持し財務体質は健全だが「先行きに不確定要素が多く、販売業者としての存在意義も薄れている」(岡本社長)とし「時代の大きな変革の流れ」を感じ決断した。

 月1万トンの小棒販売の商権は、取引関係の強い日鉄商事に譲渡する。譲渡は来年1月の新規注文からだが、契約残があり営業業務は5月ごろまで続ける。関東トップクラスの小棒販売業者の事業撤退は、他の販売業者や商社の販売政策に影響を与えるものとみられる。

 同社は1955年の設立で、丸棒専業の販売業者としては関東最大級。バブル期は営業倉庫を持って在庫販売を手がけたが現在は倉庫を持たず、つなぎ商売で商社から仕入れ、大成建設、竹中土木など各ゼネコンに販売している。資本金は1850万円(自己資本合計1億9730万円)。岡本社長が50%を持ち筆頭株主。従業員は社長含め8人。バブルのピーク時には売上高44億9300万円、税引前当期利益1億2000万円を計上した。

 長引く建設不況下にも好業績を維持し、財務体質は向上。01年6月期は売上高37億5846万円、営業利益1927万円、経常利益3291万円、当期利益1645万円とここ数年間は同水準の収益を確保している。

関 西地区のコラム流通最大手である八洲洋鋼材(本社=大阪市西区江戸堀、岡本洋社長)は大阪、三重、岡山、九州の4工場でコラムの切断・開先加工を行っているが、9月単月の加工実績が1万トンを超える過去最高量に達した。好調の要因は本年に開設した九州工場が当初予想上回る高水準で稼働したため。

 同社がこのほどまとめた9月の加工実績(賃加工含む)は三重工場が3900トン、岡山工場が2600トン、九州工場が2500トン、大阪工場が1100トンの合計1万100トン。これまでの最高だった9000トン台を大きく上回り、同社念願の1万トン超えを初めて記録した。

 同社は本年に同業者の吉田鋼業・九州加工センターの加工設備と一部在庫を買収、倉庫建屋を借り受ける形で九州工場を開設。同地区では関東の大型物件などの底堅い鉄骨需要が出ていることから、高水準の加工生産を記録した。また、全体加工量のうちBCR295、SM490の規格材は約4400トンで半数弱を占めた。

 同社では、10、11月についても引き続き明細の入りが良いため、9月と同程度の高水準の生産ぺースが続くと見ている。
阪 和興業の鋼材電子商取引サイト「ハンワ・スチール・ドット・コム」の成約が4日午前9時14分、累計で15万トンを突破した。『15万トンヒット・キャンペーン』のヒット賞の該当者となった小松鋼機の寺朱美さんがハワイ旅行(ペア)を獲得した。前後賞(前賞=出店鉄鋼・出店秀明氏、後賞=ダイサン・樋室将之氏)には、同社食品部が取り扱っている水産物が贈られる。

 昨年10月に東京で稼働を始めた同サイトは名古屋、大阪、北海道と拡大して1周年を迎え、累計15万トンを超えた。今年10月からは「合理化効果の還元」をテーマに『ポイントバック・キャンペーン』もスタートしている。

ニ ッテツコラムは4日、建設省告示第2464号の規定に基づき、テーパーコラムBCPの大臣認定および強度指定を受けたと発表した。

 今回認定を受けたのは本社、九州、人見の各工場の冷間プレス「テーパーコアーBCP」。BCP235とBCP325についてそれぞれ、許容応力度、溶接部の許容応力度、材料強度、溶接部の材料強度の各基準強度の数値が指定された。

 通常のコラムとしては、大臣認定を昨年11月8日に、強度指定を12月26日に受けていた。その後、セイケイがコラムとは別に、テーパーコラムとして新たに認定を取得。これを受けて、ニッテツコラムと佐々木製鑵が今年春から取得準備を始め、両社の今回の認定に至った。

2 000年度末で技術実験を完了したメガフロートが、兵庫県南淡町の海釣り公園として第2の人生を送ることになった。

 全長1000メートルのメガフロートは、実験終了後、分割して払い下げが計画されていたが、最終的にはワンブロック(101メートル×60メートル)分だけが、南淡町に売却され再利用される。新しい海釣り公園の工事を元請けで受注した新日本製鉄の手で神奈川県追浜沖から曳航されて、鳴門海峡に面した南淡町に設置。きょう5日、現地で竣工式を行い、6日から正式にオープンする。国内の本格的なメガフロート式施設としては初の実機施設になる。今後のメガフロート普及に弾みをつけるものとして期待されている。

 スチール製のメガフロートは、鉄鋼メーカー・造船など17社が参加し、1995年に設立された技術研究組合で具体化に着手。フェーズ1で75億円を投じて300メートルの実験施設を建設。さらにフェーズ2で60―121メートル×1000メートルの海上滑走路を建設。追浜沖に設置して2000年度に離発着実験を行い、開発を完了している。

 建設された実験用の海上滑走路は全スチール製で、全体を12ブロックに分けて建設され、これを海上接合技術で1000メートルの滑走路として建設した。全体で4万トンの重量があり、YS・11クラスの中型機の離発着が可能。

 2000年度の実験終了後、分割して払い下げを計画。南淡町や浦安市などが購入を希望していた。最終的には南淡町だけに60メートル×101メートル分の払い下げが実現し、今回の海釣り公園になった。海釣り公園の建設は、入札で新日本製鉄が6億1900万円で受注。

東 京地区の縞板市況は横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は5万4000―5万5000円。建材需要全体が停滞する中で、縞板も荷動きは悪い。小口で短納期の注文がもともと多いが、さらに短納期化が加速し、先々の需要を読みにくくなっているという。高炉メーカーの供給に過剰感はないが、需給には余裕のある状態。

 熱延鋼板の値上げは国内高炉が7月出荷から実施、浸透を図っているものの、ほとんど浸透していない。縞板への波及効果も全くなく、他品種を含めて建材需要の回復が見込めない中、販売業者も安値を回避し、価格維持に努めることに専念している。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万4000―5万5000円、BCR6万2000―6万3000円中心で弱含み。小口短納期の状態が続き、僚品H形鋼のような唱え上げには至らない。

 8月の建築着工床面積から算出した鉄骨量は63万4300トンと、前年同月比10・7%減、前月比4・6%減で、需要は先細り。ファブは来年分の仕事の確保に奔走しており、鉄骨価格は軟化。流通の保有する加工納期の受注残は1―3日。BCRのエキストラは8000円前後が散見されるようになった。

大 阪地区のH形鋼市況はベース3万1000円どころで強含み。地区の扱い流通筋が陥没価格是正に向け、先週から売り腰を強化。各社は市内オントラ3万3000円を下限に唱えを引き上げており、一時の安値である2万円台は完全に解消。現状、中心値はジリジリと高値寄りに推移している。

 この店売りの値上げを受け、電炉も物件価格を2000円方引き上げ、価格立て直しに出ている。また、メーカー各社は10―12月でもシビアな減産姿勢を堅持する構えであり、市中在庫は当面、低位で安定する見通し。秋需は迫力を欠くが、市況は強含み推移か。