2011年6月23日

新日鉄、値上げで決着 欧米重電向け方向性電磁鋼板

 新日本製鉄が欧米大手重電メーカーと進めていた、本年度上期(4―9月)積みの方向性電磁鋼板(GO)の輸出商談は22日までに、1―3月積み比300―400ドルの値上げで決着した。アセアンや中国でHVDC(高圧直流)送電プロジェクトが始まるなど、ハイグレード品を中心に需給タイト感が強まったことが背景。

 すでに新日鉄の上期受注は、今後の発注見込みを踏まえると生産能力をオーバーフローした状態で、7月以降のスポット対応は難しいとしている。下期に向けても新興国のインフラ整備を中心に、送電トランス需要が増加するのは必至で、GO需給のタイト感は続く見込み。下期も値上げ含みの展開になりそうだ。