2017年2月2日

高炉4社 製鉄事業、実力損益が悪化

 高炉メーカー4社は2日までに2017年3月期連結経常損益予想を発表したが、JFEホールディングスが前回予想を上方修正し、新日鉄住金は予想を据え置き、神戸製鋼所、日新製鋼は下方修正した。JFEHDは前期比増益、新日鉄住金と日新が減益、神鋼は赤字となる。原料価格上昇に伴う在庫評価益や円安効果で実態は把握しにくいが、主力の製鉄事業の実力損益(一過性要因を除く)は前期に比べて悪化する。原料価格急騰によるコストアップ分の転嫁が追いつかず、メタルスプレッド(鋼材価格と原料価格の差)が悪化。新日鉄住金大分製鉄所の火災事故、日新製鋼周南製鋼所の操業トラブルなども足を引っ張った。韓国のPOSCO、現代製鉄など海外大手は先行して業績が回復している。世界の鉄鋼需要は緩やかに回復する見通しであり、持続的成長軌道への回復を目指す各社にとっては販売価格の是正によるメタルスプレッドの改善、安定操業の継続が課題となる。

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