2018年2月27日

林・鉄リサイクリング・リサーチ社長 雑品処理の国内循環、議論の時

 鉄リサイクリング・リサーチ(本社=茨城県北相馬郡利根町、林誠一社長)は、26日に発表した調査レポート『2017年の中国と新たに日本に起きた課題』で、中国による輸入規制で日本に回帰している雑品スクラップの現状などを報告した。

それによると、日本の鉄スクラップ年間輸出量800万トンのうち、雑品輸出量(17年の推定)は160万トンを占めているが、17年12月に中国環境保護部が公布した「輸入固形廃棄物環境保護管理規定」で日本からの雑品輸出が難しくなり、港湾ヤードなどの火災や家電4品目の国内循環が進み、既存鉄スクラップ事業者の扱い量減少という問題点が終息に向かうと想定している。

その一方で、雑品輸出の60%をOA機器及び家電系とした場合、プラスチック等のダスト30%(約30万トン)の処分問題が起きる。全国のシュレッダー稼働率は平均30%台で雑品処理対応は可能ながら、ダストに関する管理型最終処分場の枯渇問題は解決しておらず、受け入れ量に連動されたダスト排出量がシュレッダー稼動量になっていると分析。電炉メーカーでは銅や鉛等の不純物が増して鋼材スペックに影響が出ており、社会全体で鉄鋼の国内循環をどうするかを真剣に取り組むべき時が来ていると指摘した。