2019年5月21日

鉄リサイクリング・リサーチ 林誠一氏最新レポート 越粗鋼、転炉・誘導炉が躍進

鉄リサイクリング・リサーチ(本社=茨城県北相馬郡、林誠一社長)は20日、調査レポートNo.51「ベトナムの鉄鋼・鉄源需給の現状」を発表した。本レポートは、林社長自ら4月に現地を訪問し、日本にとっても主要な鉄スクラップ輸出国であるベトナムの鉄鋼環境について調査・解説したもの。

同社の調べによれば、ベトナムの2018年粗鋼生産量は、前年比33・3%増の1643万トン。これは世界の64カ国中最高の伸び率で、2位はモルドバ21・8%、3位はイラン17・7%となっている。

ベトナムの18年粗鋼生産量の割合を製鋼法別にみると、転炉が54・3%、アーク電炉が26・2%、誘導炉電炉が19・5%だった。なかでも転炉は前年比86・6%増、誘導炉が同16・8%増となっており、「転炉の高増加率とともに、誘導炉の躍進が注目される」(林社長)。誘導炉は原料の投入口が狭いうえ、精錬設備を備えていないことから、使用する鉄スクラップの寸法・品位に特に注意が求められる。「ベトナムに鉄スクラップを輸出している日本側が、そういった相手国の実情を充分に踏まえていない」ことにも警鐘を鳴らした。

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