2019年5月24日

小棒懇・里会長 堅調な需要見合いの生産 「18年度864万トンと高水準」

全国小棒懇談会は23日、東京・茅場町の鉄鋼会館で定例の記者会見を開き、里嘉郎会長(日本製鉄執行役員建材事業部長)は「実需面では土木分野が高水準にあり、建築分野ではマンションが堅調で、首都圏の再開発案件の大型化で基礎部分の使用量が増加している。国内在庫も61万トンと安定水準を保ち、需要に見合った生産ができている」とし、「安定生産、安定供給に努め、小棒の求められる使命を将来的にも実現するために商慣習の見直しにも引き続き取り組んでいただきたい」と会員各社に要望した。

里会長は「米中の貿易摩擦に伴う世界経済に不透明感もあり、日本経済、国内建設マーケットに対する影響も注視すべき」と懸念材料を示すが、「日本では国民の安心・安全、経済活動を守る国土強靭化の国を挙げた取り組みが進んでいるので、小棒の果たすべき役割は変わることがない」と強調した。

18年度について、「全建築の着工床面積は前年比1・5%減と微減だったが、S造(鉄骨造)は1・3%減、RC造(鉄筋コンクリート造)は0・7%減だった。RC造は上期で10%近い減でマイナス基調を継続していたが、下期には増加に転じてほぼ横ばいになった」(里会長)と報告し、「昨年上期までのマイナスのというのは、実際の小棒需要とはかい離している。2018年度の小棒生産は864万トンと1・6%増で高い水準を保っている」(同)とした。