2013年4月30日

東京製鉄のビジョン/今期黒字浮上目指す/価格重視の姿勢貫く/西本 利一社長

――13年3月期決算をどのように受け止めているか。

「未曾有の赤字という最悪の決算で、営業キャッシュアウト状態になり、田原工場の減損損失として1288億円を特別損失に計上した。先輩たちが蓄積した財産を帳面上は無くしてしまい、申し訳ないが、これを区切りに再出発したので、今期は何が何でも黒字転換を果たさなければいけないと、全社員が強く思っている。価格重視の姿勢を貫き、生産数量を増やすための安売りはしない」

――今期の収益計画に関しては。

「借入金を返済しなければならず、そのためには当期純利益が20億円では少ない。110億円の償却負担減があるため、見掛けは20億円の黒字を見込んでいるが、実質は90億円の赤字であると社員に伝えており、危機感を維持する」