2017年7月24日

スズトクHDなど4社、共同出資会社を設立

 スズトクホールディングス(本社=東京都千代田区)、マテック(本社=北海道帯広市)、やまたけ(本社=東京都足立区)、青南商事(本社=青森県弘前市)の4社は、2017年7月3日付で東日本エリアをカバーする共同出資会社「株式会社アール・ユー・エヌ(RUN)」を設立した。8月をめどに共同仕入れと、輸出を含めた共同販売を本格的にスタートする計画。国内ではマテリアルリサイクル分野と廃棄物処理分野でマーケットの垣根が解消されつつある中、RUNは両分野のニーズを捕捉することで循環型社会形成に寄与しながら、欧米に比肩する日本版静脈メジャーの実現を目指す。

 RUNは資本金2500万円で、4社がそれぞれ25%を出資。本社は東京都墨田区に設置。代表取締役会長には鈴木孝雄・スズトクホールディングス会長が、代表取締役社長は安東元吉・青南商事社長が就任。取締役には杉山博康・マテック社長、山口大介・やまたけ常務取締役が、執行役員には松岡直人・スズトクホールディングス社長がそれぞれ就いた。新会社を構成する4社の従業員数は合計約2000人。4社の事業所数は本社、海外を含めて合計56拠点。設備能力も高く、1000馬力以上の大型シュレッダーは19台、1000トン以上の大型せん断機(ギロチン)は27台を保有する。

 RUNは設立後、営業部、販売部、管理部、経営企画部を立ち上げ、各部で事業スキームの構築を図っており、現在、事業スキームや社内規定等を策定中で、共同事業に向けて準備を進めている。

 共同仕入れは4社の仕入れ先リストを共有するとともに、新規ターゲット企業もリストアップし、役割分担を決めた上で、実績のない企業への飛び込み営業を含めて営業を推進。共同仕入れは当面、鉄スクラップが中心になり、東日本がメーンエリアになるものの、スズトクグループであるサニーメタルを活用し、西日本を含めた広域にわたる集荷機能のメリットをPRしていく。国内では市中の鉄スクラップ発生量が漸減傾向にある中、4社が連携することで集荷シェア拡大を図る。  一方、国内販売および輸出などの共同販売ではRUNを窓口として契約。鉄スクラップでは共同仕入れによる集荷促進によって、ディープ・シーレベルの遠方輸出などでスケールメリットを発揮。また月間ベースで4社それぞれ一定の出荷責任数量を設定することで、1社当たりの市況や為替変動リスクを軽減できる。国内外顧客リストを4社内で共有し、4社の販売方法なども精査しながら、最適な取り引きを選択していく。

 一方、業務標準化も進める方針。品質管理を重視し、4社のノウハウを共有することで、仕入れからヤード保管、維持管理、出荷までの一貫プロセスで高品質を確保。システムを含めた事務業務部門、ヤードオペレーション部門も業務標準化のターゲットに入れる。

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