2021年6月4日

日本製鉄、薄板3カ月連続値上げ 7月出荷分から1万円/昨年度 下期から 計5万円超、倍額に

日本製鉄は3日までに、国内店売り・リロール・パイプ・軽量形鋼向け薄板製品(熱延黒皮・酸洗・冷延・めっき)の販売価格を7月出荷相当分(6月引受分)から追加でトン当たり1万円値上げすることを決めた。同日から需要家・流通各社に申し入れを開始した。5月出荷から3カ月連続の値上げで、前年度下期からの累計での値上げ幅は熱延黒皮が5万円、酸洗・冷延・めっき鋼板が5万5000円に達し、値上げ前に比べほぼ2倍に上昇することになる。



 日鉄ではひも付き需要家に対しても、フォーミュラとして整備されている主原料相当の値上げに加え、塊鉱プレミアムや合金など市況原料の上昇分、物流費などの付帯コストの上昇、低生産性・低採算注文の採算改善も含め大幅な価格改善を求め、交渉を進めている。また、今回の値上げを受け、日鉄鋼板や日鉄建材などグループ会社は二次製品のさらなる追加値上げの検討に入った。

 足元の薄板を取り巻く環境は堅調。海外マーケットは、各国の経済課回復を背景に鋼材需給はタイトな状況にあり、米国はホットコイルが1700ドル、ASEANにおいても契約ベースで1100ドルを超えるなどしている。市況上昇に各国の規制当局に警戒感も生まれているようだが、主原料・副原料・フレートなどのコストアップが続いていることや、中国政府による鉄鋼生産抑制、鉄鋼の輸出の税制改定による鉄鋼の輸出抑制の動きをはじめ、輸出の主要プレイヤーである韓国・台湾のミルに政府要請による輸出抑制の動きもあり、今後もタイトな状況は継続していく見通し。

 また、国内についても薄板3品在庫が昨年10月から直近の4月まで7カ月連続で350万―360万トン台の低水準で推移するほか、下期に向けては半導体不足で減産を余儀なくされた自動車メーカーが挽回生産も目指しており、しばらく需給のタイト化が続くものとみている。

 日鉄は全世界的な需給やコスト動向などを踏まえ、異例ともいえる初の3カ月連続の大幅値上げに踏み切る。また現在の需給環境や国際市況などを見据えると、今後も継続的な値上げが必要になる可能性が高いとみており、状況を踏まえながら適宜値上げを表明していく構え。

おすすめ記事(一部広告含む)