2014年11月7日

零戦、米から里帰り~飛行可能機で戦後初~

里帰りした零戦
零戦、21―24日、さいたまアリーナで一般公開
設計者・堀越二郎の思いを胸に――宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」で脚光を浴びた零式艦上戦闘機(零戦)の飛行可能な機体が、戦後初めて帰還し5日、神奈川県内で報道関係者に公開された。現存する5機のうちで唯一、日本人が所有する機体。米ゼロエンタープライズ(石塚政秀CEO)の日本法人が「零戦里帰りプロジェクト」として行った。11月21日から24日まで「さいたまスーパーアリーナ」で一般公開する。

戦後、飛行可能な零戦として本邦初公開となった機体は73年頃、パプアニューギニアにあったものを米国が没収。博物館などに展示されていた。米国からエンジン、主要操縦席、機体尾翼の3つに分解し、コンテナ輸送を経て9月4日、横浜港に入港した。

胴体部分は超々ジュラルミン(アルミ合金)で設計され、三菱重工業が開発。中島飛行機でもライセンス生産された。当時の生産機は「約1万800機あった」(主催者のゼロエンタープライズ・ジャパン)といい「現存する飛行可能な5機のうちの1機」という。

ゼロエンターでは「来年で戦後70年。飛行制限やパイロット養成など多くの課題はあるが、ぜひ、日本人操縦による日本の空での飛行を実現したい」と話している。