【スクラップの海外流出】
――アルミスクラップは年40万トン超が海外に流出しています。リサイクラーへの影響は大きいですね。
大賀「深刻な問題だ。海外流出は常態化しており、数量も年々増加している。スクラップ発生量が減少する中で、脱酸剤メーカーや二次合金メーカーは価格面で海外勢に競り負ける場面が多く、UBCの確保が難しくなっている。物流コストの問題も大きい。例えば、輸出拠点の新潟県から弊社のある静岡県に運ぶ国内輸送の場合、キロ当たり十数円の運賃がかかる。一方で、外航船での隣国への輸出は、国内輸送に比べ3分の1程度の運賃コストで済む場合がある。そのため離島や九州では輸出が選ばれやすい。流通の上流では外国籍の事業者による参入が進み、関西では言語や利用するアプリを共通化した回収スキームの形成が海外流出を後押ししている。ただ、関係者によれば、輸出するのは国内に比べ採算が良いからといった側面が大きい。国内でリサイクル原料を安定利用できる環境が整えば、国内循環に回帰する余地はある。官民連携による対応が必要だ」
――違法なヤード事業者の対策として環境省が廃棄物処理法の改正を進めていますが、国内循環を進める上で、経産省としてはどのような考えがありますか。
三牧「まずは国内での受け皿の整備を優先すべきだと思っている。動脈側と静脈側が議論を重ね、売り先や受け皿が整った段階で規制強化に踏み込むのが望ましい。昨年5月に改正した資源有効利用促進法では、ユーザー企業に再生材利用を促す方向性を打ち出した。現段階では自主目標が中心だが、将来的には数値目標の導入も可能であり、その際には環境配慮設計や設備投資支援など踏み込んだ政策を強化できる。輸出規制を求める声も聞かれるが、将来的な政策オプションとしてはあり得るものの、需給の急変を招き市場が値崩れを起こす恐れがあるため慎重に対応すべきだ。基本方針は、国内で安定的に循環する経済構造の構築にある。経済安全保障の観点も重要だ。欧米ではアルミを戦略物
2026.04.07
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創刊90周年記念座談会 広がるアルミ循環/(4)/原料循環、官民で連携必要
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