鉄スクラップ・リサイクルニュース



2025年6月6日

鉄リ工業会、札幌に700人 全国大会 「鉄スクラップ」名称変更検討へ

日本鉄リサイクル工業会は5日、札幌市のグランドメルキュール札幌大通公園で第50回通常総会と北海道支部主管の第35回全国大会を開催した。会員など700人が参加した。通常総会では2024年度の事業と決算の報告、25年度の事業計画と予算などの全議案を承認した。第4副会長の米田剛氏(三菱商事マテリアルソリューショングループ鉄鋼製品本部付)が同日付で退任し、替わって向井英輝氏(エムエム建材常務執行役員製鋼原料本部長)が就任した。

総会後の大会で木谷謙介会長(シマブンコーポレーション社長)は、「鉄スクラップ」という名称の変更を業界団体として検討していると話し、変更の是非を含め「時間をかけて皆さまと考えていきたい」と述べた。

 一般に、建築物の解体工事や製造業の工場稼働で発生した鉄の端材などを加工処理した後、鉄鋼メーカーに製鋼原料として販売される商材が「鉄スクラップ」と呼ばれるが、カーボンニュートラルの潮流を受けた資源価値の向上を受け、電炉メーカー向けの製鋼原料の呼び名の見直しが海外で進んでいるなどと説明した。欧米では「リサイクルドスチール」や「リサイクルドマテリアル」などと呼ばれ、中国では「再生鋼鉄原料」と呼称されると紹介した。

 「長年親しんできた名称に愛着がある方もいると思われる」としながらも、「設立50周年の節目に考える価値のあるテーマ」と述べて、会員らに検討を促した。

 北海道支部の駒谷僚支部長(鈴木商会社長)もあいさつし、工業会発足50周年に触れて工業会の活動をけん引してきた先人の歩みに敬意を表した。「地球上で最も循環されている資源は鉄。今後ますます貴重となり、日本と世界を支える資源になるだろう」とも述べた。

 来賓として経済産業省製造産業局金属課金属技術室の川村伸弥室長、同省北海道経済産業局資源エネルギー環境部の豊島厚二部長、北海道の鈴木直道知事、札幌市の秋元克広市長が出席した。

 講演会では、カーリングチーム運営法人「ロコ・ソラーレ」の代表理事で元オリンピック選手の本橋麻里氏が講演した。