2017年11月9日

アビヅ アルミドロス、低コストで固形化 電炉向けエネ代替材に

総合リサイクル企業、アビヅ(本社=名古屋市港区、瀬田大社長)はこのほど、独自に培ってきたASR(自動車シュレッダーダスト)軽量ダストを固形化する技術を応用し、低コストで安定的にアルミドロスを固形化する技術を確立した。電炉メーカー向け電力エネルギー代替材料として活用できる。9月から関東、関西の電炉メーカーに試験供給を開始。試験稼働を経て、11―12月頃をめどに本格供給を開始する予定。将来的には海外の鉄鋼メーカーへの供給も視野に入れていく方針だ。

アルミドロスとは、アルミニウムリサイクルの生産プロセスで発生する残渣のこと。メタリックアルミが含まれており、その成分を用いて、高炉、電炉向け昇温材、還元材として広く活用されている。だが、アルミドロスは微粉末状態で発生・製造されることから、安定して低コストに固形化するには技術的な課題が多かった。

同社はASRシュレッダーダストなど粉末状態のものを固形化する技術を得意とする。今回、独自の固形化技術を活用し、固形化アルミドロスの鉄鋼副資材としての製品化に成功、4月に特許を出願した。

電気炉に同製品を投入することで、酸化発熱エネルギーを最適な形で得ることができ、エネルギーの削減につなげることができる。9月から新製品を関東と関西の電炉メーカーに向け試験供給を開始しており、年内をめどに本格的な使用開始につなげていく考え。販売は岡谷鋼機およびエムエム建材と連携して行っていく。

同社では現在、月間1300トンほどASR軽量ダストを原料とするフォーミング抑制剤「マイプラ」を供給している。新製品は今後、月間200―300トンほどを供給していく計画。

将来的には新製品を含めた鉄鋼副資材を、海外の高炉・電炉メーカーに供給することも検討している。国内外で資源循環を加速させ、さらなる事業拡大とリサイクルの高度化につなげていく考え。