2013年1月25日

産総研など、制振マグネ合金 プレス性高めた圧延法を開発 室温でもアルミに匹敵

産業技術総合研究所は24日、室温での成形性を飛躍的に高める制振マグネシウム合金圧延材の製造方法を、京都大学などと共同開発したと発表した。焼鈍と圧延の温度を最適制御することで、室温でのプレス成形性を従来法と比べて大幅に改善。音響関係など制振特性が求められる分野の構造部材として、需要拡大を期待できるとしている。 マグネシウムは実用金属の中で最も軽く、資源量も豊富なため、軽量構造材料として近年注目を集めている。アルミや亜鉛を混ぜて機械的特性や耐食性を改善したマグネシウム合金の圧延材は、パソコンや自動車部品などの構造材料として利用が拡大。スピーカー振動板や音響ケーブル用シールド材料の制振部材としても、用途が広がりつつある。 AZ31などの汎用マグネシウム合金は制振性能が劣るため、制振用途では純マグネシウムや制振マグネシウム合金の圧延材が使われる。しかし、汎用と比べると成形温度域が低い欠点があり、室温プレスなどにも対応できる制振マグネシウム合金圧延材の開発が望まれている。 産総研などは、500度程度の高温処理と200度程度の温間圧延を繰り返し行うことにより、成形温度域を改善する圧延技術を開発。結晶構造を最適化することで、室温でのプレス成形性を、アルミ合金に匹敵する水準まで改善することに成功した。

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