2015年2月18日

放液溜破裂事故で原因解明と防止策 新日鉄住金大分製鉄所構内

大分サンソセンター事故会見する田邉社長
新日鉄住金大分製鉄所構内で昨年12月12日に発生した放液溜破裂事故について、大分サンソセンターと親会社である大陽日酸は17日、原因の解明と再発防止を発表する会見を大分鉄鋼ビルディングで開いた。

両社によると放液溜破裂の原因は、雨水や配管漏水などで水が相当量滞留し、低温の液化ガスが放液溜に放液された際に氷が生成され、その氷が蓋となり液化ガスを閉じ込めたことで放液溜の内圧が上昇し、破裂した。

大分サンソセンターは再発防止策として設備上の対策として(1)今回破裂した放液溜(No3)と隣接する放液溜(No2)の両方に水が入らない配管にし、また、蒸気を通して水が溜まらないスチーム加温蒸発式に更新する。秋までに完成させ、それまではNO2放液溜を使用しない(2)給水配管を使用停止し、放液溜更新時に給水配管を新たに敷設する(3)排水ポンプを更新し、さらに予備機2台を設置した。次に管理上の対策として(1)作業手順の変更(2)設備管理・運転管理の見直し(3)非高圧ガス設備の点検(4)人材育成・教育などに取り組むなどを表明した。

大陽日酸は(1)関連事業所の総点検(2)放液溜の設計への反映(3)納入先ユーザーおよび他社装置メーカーへの水平展開に取り組むとした。

田邉信司・大分サンソセンター社長は「二度と起こさないよう、会社を挙げて全力で取り組む」と決意を語った。

放液溜は空気分離装置によって分離し液化した液体窒素や酸素を貯めておく設備。放液溜が破裂した際、新日鉄住金大分製鉄所構内外に破片が飛び、人的被害はなかったものの損害が発生した。

新日鉄住金・大分製鉄所 酸素ガス設備で破裂事故

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