2022年3月10日

関東鉄スクラップ輸出入札 08年以来の6万円乗せ 前月比7665円高 ウクライナ危機受け 国内上伸は必至

関東鉄源協同組合(理事長=山下雄平・ヤマシタ会長)が9日に実施した3月契約分の鉄スクラップ輸出入札の落札価格は、トン当たり6万3510円(H2、FAS=船側渡し)だった。2008年7月以来13年8カ月ぶりにトン6万円台に乗せた。前月比で同7665円上昇する高値落札となり、国内相場を大きく上回った。ロシアのウクライナ武力侵攻によって国際的に鋼材やビレットの供給不安が高まり、世界の鉄スクラップ需要が急拡大している。中国が春の鋼材需要期を迎えることからも、国内の鉄スクラップや鋼材の市況は大きく上がりそうだ。



落札は1本のみで数量は1万トン。向け先はベトナム。応札数量は12万5500トン。応札件数は22件で、辞退はゼロ。応札の平均価格はトン6万941円。同6万円以上の入札は14本で、商社によれば「少なくとも3番札までは6万3000円以上の入札だった」。

9日時点の関東電炉メーカー購入価格(H2)は中心がトン5万6000―5万7500円前後。関東湾岸価格(H2)の中心は同5万7000―5万9500円前後で、高値は同6万円前後。

事前に開かれた組合の役員会では今後1カ月の市況について95%が強気、5%が横ばいと予想した。強気要因として、中国の旺盛な鋼材需要と、ウクライナ危機による鉄スクラップ・半製品などの国際的な供給縮小懸念が挙げられた。次回の輸出入札は4月12日に実施する。

複数の商社によれば「足元は弱気材料が見つからない」ため、少なくとも今後1―2カ月は海外の需要が国内相場を押し上げるとの見方が市場の大半を占める。さらに「中国の鋼材需要は夏場にピークアウトするとしても、ウクライナ危機の終わりが見えない」(関係者)ことが先行きを見えにくくしている。

一方、鉄スクラップ価格の急騰を受けて、製品値上げが追いついていない鉄筋棒鋼のメーカーは減産幅を拡大させる可能性がありそうだ。市中からは「鉄スクラップ価格が想定の範ちゅうを超えるレベルにまで高騰し、資金繰りが追いつかない恐れがある」(ヤード筋)という不安の声も聞かれている。

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