鉄スクラップ・リサイクルニュース



2025年6月10日

鉄リ工業会全国大会 高度な加工処理設備 集結 機械メーカーが製品PR

先週札幌市で開かれた日本鉄リサイクル工業会の全国大会では、機械メーカーなどがブースを出展し自社の商品やサービスを売り込んだ。2050年のカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに向け、金属スクラップを取り巻く環境は変化しており、より高度なリサイクルが求められる。ここでは鉄・非鉄スクラップに関連した加工処理設備やサービスの一部を紹介する。

【アーステクニカ】
衝撃・せん断式破砕機の最新シリーズ「SHシュレッダ」は最低1000馬力と大型の破砕機で、各県のリサイクル業者に採用実績がある。鋳物製のハンマーやライナーは自社生産しており、長寿命で破損が少ない。廃ケーブルや硬質プラなど少量・多品種廃棄物の処理に適した小型一軸せん断式破砕機「マルチロータZERO」なども紹介した。

【富士車両】
TREホールディングスグループで本年10月に創業100周年を迎える富士車両。雑品スクラップを精度良く分離・破砕するファインシュレッダー「シェラノス」や、インバーターモーターを採用し消費電力を最大30%削減した「スクラップシャー」「フジ・マウントシャー」「スクラップべーラー」などを売り込むとともに、100周年を記念して制作したタンブラーを紹介した。

【コベルコ建機日本】
コベルコ建機日本は遠隔操作システムと稼働データを活用した現場改善ソリューション「K―DIVE」をPRした。コックピットと現場の複数の重機をつなぐことができ、安全性の確保や生産性が向上する。若手や女性などがオフィスから遠隔地の重機を操作できるなど、多様な人材を活用できる。全国で11社採用されている。

【CBM】
CBMは、見積もり・受注配車から計量・請求支払・在庫管理・マニュフェスト管理までリサイクル業界に特化したクラウド型販売管理システム「TRACON Cloud」を提案。1978年から市場投入したTRACONのクラウド版で、利便性の高い入力画面で業務を合理化する。全国の600社・1200拠点に納入実績がある。

【JEMS】
JEMSは1300社に導入している廃棄物処理・資源リサイクル業向け基幹システム「環境将軍R」をPRした。営業・契約から配車、収集運搬、計量、売り上げ・支払い、マニュフェストまで一元管理でき、不適正ヤード対策として免許証のスキャン機能を付加したカスタマイズプランを近々リリース予定。スマホなどモバイル端末と連携できる「モバイル将軍」も組み合わせることができる。

【モリタ環境テック】
モリタ環境テックはサーボモータを採用し消費電力を約25%抑えた「ハイブリッドニューギロ」などを売り込んだ。長年実績があるニューギロのハイブリッド版で、切断能力は1000トンと1250トンの2タイプ。また、昨年発売した移動式切断機の「トラスホッパー」はトレーラーに積載でき、解体現場や災害現場などでも活躍する。

【近畿工業】
近畿工業は黒モーターやダイナモなど雑品スクラップに特化した破砕機「SUPER SHREDDER(スーパーシュレッダー)」や、より小型のモーターに対応した竪型回転式破砕機「V―BUSTER(ブイバスター)」を紹介。いずれもモーター類を効率的に破砕でき、プラント化して販売している。