2011年3月16日

非鉄金属企業、インフラ復旧 再開へ動き

 東日本大震災に遭ったものの、工場建屋や生産設備が一部損傷程度にとどまった非鉄金属企業は、ここ一両日、計画停電といった不安要因を抱えながらも、工業用水やガスなどインフラの復旧を確認しつつ、生産再開へ動きだした。ただ、余震の頻発など、緊急対応策を継続している製錬企業などは、被害状況の把握が優先されているようだ。

 14日夕刻以降に明らかになった非鉄金属関連企業の中で、半導体用シリコンウエハーの世界市場で半分を占める信越金属工業の信越半導体白河工場は、電力の供給は再開されたが、安全点検中の段階。計画停電による影響も懸念され、今後、断続的に送電が途絶えれば、数日程度のワンクール生産体制から長期に及ぶ操業停止が予想される。

 関東地区一円にグループ企業の製造拠点を擁する住友電気工業は、横浜製作所をはじめグループ4社が工場の建屋および生産設備の一部に損傷を確認している段階。住生活グループは傘下のトステム6工場、INAX1工場で操業が停止された状態が続いている。

 一方、アーレスティ栃木は13日午後以降、順次生産を再開し、大紀アルミニウム工業所結城工場は15日午後にも操業が開始される見込み。フルヤ金属のつくばと土浦の2工場は、復旧に向け準備中。

 なお、復旧に向け準備中の企業では、物流がネックとなって原料・資材の搬入、製品の出荷状況が重要な課題となっている。

東日本大震災による非鉄金属企業の被害状況第2弾







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