コランダムは、酸化アルミニウム鉱物でモース硬度9とダイヤモンド(モース硬度10)に次ぐ硬さ。天然有色のものは、ルビーやサファイヤとなる。今回、工具材として使用したのは人工の単結晶コランダム。研究開発は、同社と九州工業大学、金型加工のサンテック、福岡県工業技術センターと共同で行った。九州工業大学と福岡県工業技術センターが共同で研究し、サンテックが研削加工技術を開発、同社が切断加工技術と実工程への応用を担当する。
切削工具には超鋼工具鋼や焼結ダイヤモンド工具を使用するケースが多い。超鋼工具鋼は切削加工後の表面粗さがRa0・17マイクロメートルに対し焼結ダイヤモンド工具はRa0・08マイクロメートルと粗さが小さい。しかし焼結ダイヤモンド工具や焼結ダイヤモンドより高い加工精度を誇る単結晶ダイヤモンドは非常に高価。
また、真空チャンバーの加工において、配管接続部のOリングからリークせず真空度を維持することが重要。切削表面に傷が残れば、そこからリークする。これを防ぐため機械加工後に手作業で円周方向に磨き加工を行うか、高価なダイヤ工具で磨き精度を出していた。
これだとコストがかかりすぎるため、福岡県技術センターは工具材としてコランダムに着目。コランダム切削工具は、価格面では単結晶ダイヤよりコストが半値となり、また、表面粗さはRa0・04マイクロメートルと焼結ダイヤ工具よりも磨き傷を小さくできる。同社では、加工コストを5分の1に、切削工具の調達コストを3分の1から半分程度にできると見積もる。














