薄板需給に悪化懸念が広がっている。自動車生産の回復、輸出の増加を背景に足元の高炉メーカーのロールはタイトな状態が続いているが、建築・機械需要の不振などにより国内市場は低迷。
全国コイルセンター工業組合の在庫が8、9月とわずかながら2カ月連続して増加したほか、全国鉄鋼販売業連合会がまとめた10月の品種別DI(バランス指数)でも薄板類は軒並み悪化している。
アジアミルの能力増強や中国市況の停滞の影響から来年1―3月には好調な輸出市場の鈍化も懸念されているだけに、高炉メーカーをはじめ市場関係者の間には先行きに対する警戒感が高まっている。