2015年7月29日

4-6月鉄鋼決算 通期見通しに関心

 2015年度第1四半期(4―6月)の決算発表がスタートし、消費税増税影響の長期化などで同期の全国粗鋼生産量が前年同期比6%減の2589万トンに落ち込む中、鉄鋼メーカーの業績が注目されているが、先週発表の東京製鉄は経常利益が前年同期比6%増の43億円、山陽特殊製鋼は96%増の34億円で、28日発表の神戸製鋼所は微増の218億円だった。3社については、鉄スクラップや鉄鉱石・石炭など原料価格下落を背景としたメタルスプレッド改善とコスト削減が下支えた格好。国内需要は下期にかけて戻り、鋼材在庫調整次第で粗鋼生産は回復すると期待されているが、海外では中国の過剰生産による輸出環境の悪化など不安材料が増えており、未公表の新日鉄住金の業績予想など、通期の見通しに関心は移る。

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