2018年9月6日

台風21号、関西で猛威 鉄鋼メーカー、操業に支障も 一部で工場建屋など被害 湾岸地域の鉄鋼流通各社、多数が業務を停止

台風21号は関西地区や中部地区の一部の鉄鋼メーカー、鋼材流通の工場・倉庫、および事務所などに被害を与えた。

高炉メーカーでは新日鉄住金の和歌山製鉄所と名古屋製鉄所の一部工程が5日午前段階で停止中で、顧客に迷惑がかからないよう最大限の対応を行っている。JFEスチールの東日本製鉄所・西宮工場(兵庫県西宮市朝凪)は一部の工程で支障が出ており、現在、支障の程度を精査中。神戸製鋼所は加古川製鉄所、神戸製鉄所、高砂製作所については台風の大きな被害はなく、通常操業をしている。

電炉・単圧メーカーは大阪の南部地区を中心に影響が出た。岸和田製鋼が部分的な停電により、5日はスクラップの一部の受け入れができなかったが、設備には影響はなかった。スクラップの受け入れ体制もメドがついており、早急に再稼働させる方向で検討している。日鉄住金スチールは5日の朝から操業に向けて設備を確認しており、5日のスクラップは荷止めを実施した。新関西製鉄は本社・工場(堺市堺区)については設備に多少の被害があり、5日の操業・出荷は休止し、早急の復旧・稼働を目指す方針。共英製鋼は枚方事業所については建屋に多少、被害があったが、製造設備は全く被害がなく、5日夜にも通常操業を行う予定。単圧の日本スチールは屋根の一部が吹き飛んだが、製造設備に影響はなかった。ただ、5日の昼間の操業は設備点検などにより休止し、夜間からは通常操業を行う方向で検討中。大阪製鉄は操業には影響がなく、合同製鉄も大阪製造所については屋根の一部が飛散したが、製造設備には被害がなく、操業面には影響なし。

鋼管メーカーでは丸一鋼管が堺工場、名古屋工場の屋根に一部被害があったが、早急に復旧作業を行っており、製造設備には影響なかった。モリ工業も生産設備には影響はなく、通常通り操業を行っている。

大阪府南部から神戸市にかけての湾岸地域に事業拠点を置く鉄鋼流通各社も大きな被害を受けた。記録的な暴風や高潮となり、倉庫や事務所の屋根壁が破損したり、製品在庫や設備類が水に浸かるなどの影響や大規模な停電により、鋼材の切断や入出庫が行えないなど、5日段階で多くが事実上業務を停止している状況にある。

普通鋼鋼材、亜鉛鉄板、ステンレス鋼板、特殊鋼など鉄鋼製品全般の分野の流通13社が集結する大阪南港鉄鋼流通団地(大阪市住之江区)は南港の埋め立て地という立地で、台風による風雨の影響が大きく、シャッターや外壁部の破損に加え、5日午後現在は団地内の全社が停電状態で「復旧のめどは立っていない」(関係筋)。同団地の近隣地に位置する特殊鋼流通大手、カネヒラ鉄鋼の大阪鋼材センターも付近一帯が停電状態であることに加え倉庫の一部が破損。同じ大阪湾岸沿いに本社倉庫を持つ特殊鋼流通の堀田ハガネ(堺市西区築港新町)も高潮による被害を受け、足元では正常業務を行うことが難しい状況下にある。

関西電力管内では同日午前10時段階で50万戸超の停電が未復旧となっているもようで、事業を停止している業界各社の復旧時期も、それらの進捗次第といえそうだ。

鉄鋼のユーザー関係ではダイハツ工業が4日の昼段階で、滋賀工場(第1工場、第2工場)、本社(池田)工場が操業を休止していたが、滋賀工場は4日夜から、本社工場は5日からそれぞれ操業を再開、全工場が通常操業している。

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