2020年4月2日

鉄鋼主力商社 コロナ対策を強化・延長 収益減の長期化懸念

新型コロナウイルスによる影響が国内外で急速に広がる中、鉄鋼主力商社は国内の感染防止策を強化・延長し、海外については危険度が高い地域の駐在員・家族に一時帰国を指示するなど警戒レベルを一段と引き上げている。新型ウイルス影響は、米リーマン・ショックや東日本大震災後などと異なる新たなかたちの経済危機に発展しつつあり、混乱収束時期が見通せないこともあって各社とも対応に苦慮。収益影響が本格化してくるのはこれからで、2020年度は極めて難しい舵取りを迫られる。

産業新聞社は3月上旬に続いて鉄鋼主力商社に感染拡大防止策に関する緊急アンケートを実施した。

勤務体制については、3月上旬時点で時差通勤、テレワークを推奨する企業が多かったが、3月末時点では在宅勤務を基本とするところがメーンとなっている。通勤時などの感染リスク低減が狙いであり、会議や会食は原則、自粛を継続。出張については原則禁止だった海外出張を完全禁止とし、自粛を推奨していた国内出張も原則禁止とするなど、防止策を強化しているところが増えている。

対象期間については、当初3月15日までが多かったが、現時点では4月12日あるいは4月末まで延長。 伊藤忠丸紅鉄鋼、阪和興業、メタルワンなどは4月1日に予定していた入社式を延期した。

新型ウイルス影響で世界経済が混乱し、主要市場の株価が下落。OPECプラスの減産協議決裂で油価も暴落している。

各商社は、19年度業績について保有株式の減損処理、製品在庫の評価損などに加えて、自動車分野向けの一部収益減などを想定。

20年度については、国内外の自動車など製造業の活動水準低下による取引量の減少、国際鋼材価格の低下などによる収益減の長期化を懸念する声が多い。

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