2024年3月21日

加藤軽金属工業 アルミ・異種材接合の新技術 輝創と連携

アルミ押出材メーカーの加藤軽金属工業(愛知県蟹江町、加藤大輝社長)は、接合技術開発を手掛ける輝創(本社=名古屋市守山区、前田知宏社長)と連携して、アルミ押出材と異種素材の接合技術を開発し、技術活用に向けた取り組みを加速している。技術の周知を目的に、3月13日から15日に愛知県常滑市で開催されたスマートマニュファクチャリングサミットにも出展、高い注目を集めた。

同社は1946年に設立したアルミ押出材メーカーで、最新鋭のイタリア製押出機やマグネットヒーターなどを備える。アルミ押出材の生産量は月間400―500トン。

今回の技術は、輝創が開発したCAM接合技術を用いて行う。CAMは化学接合と溶融接合の2つのメカニズムを合わせた接合方法で、自然由来の素材のため、安全で環境に優しく工程数も少ない。既存工程に組み込むことができ、素材のコストも安価なため、コストダウン効果も期待できる。アルミや鉄などの金属同士や樹脂との間で接合可能だ。

酸化被膜により絶縁性を持たすことができ、金属接合に伴う腐食を抑えることができるだけでなく、逆に導電性を持たすこともできるなどさまざまな加工を施せる。これらの特性を生かし、モーター芯などに用いられる電磁鋼板の積層接合への活用や、ホットプレス接合の低コスト導入などが望める。

また、300度以上の熱を用いるか、用途によっては水のみで安全・簡易的に分離できるなどの特徴を持つ。そのためアルミと樹脂のハイブリットサッシなどでも簡便に分解できる。両社は今後、自動車関連企業などを中心に幅広く製造業に活用を訴え、CAM接合技術の早期導入の実現を目指す。

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