神戸製鋼所 創業120周年／記念行事・万博出展／大阪・関西万博「未来の都市」出展／造形美と映像演出で体感

神戸製鋼所（コベルコグループ）は現在開催中の大阪・関西万博に協賛・展示中だ。博覧会協会と12者の企業・団体が共同で展示する「未来の都市」パビリオンで、ものづくり・まちづくり分野の一角を占めている。ものづくりの未来の可能性を造形美と映像演出で体感できる展示となっている。

「未来の都市」パビリオンは、西ゲートから入って右へ500メートルほど歩いた海沿いの場所にある。万博会場である夢洲（ゆめしま）の奥座敷というべき立地にあり、大阪湾の対岸には風光明媚な神戸の街や六甲の山並みを目の当たりにできる。

万博最大級の「未来の都市」パビリオンは全長150メートル、高さ33メートル。人類誕生から狩猟・農耕・工業・情報社会の変遷をたどる巨大スクリーンを抜けると、SDGsを達成した2035年の未来の都市生活がアニメーションで現れる演出だ。その家での暮らし、モビリティー、医療などの空間に身を置き、住民との対話を通じて未来を想像させてくれる。

その先の個者展示に神戸製鋼所のブースはある。展示テーマは「“未来の豊かさ"を創造する力」。まず来場者の目を引くのが直径2メートルの青々とした球体LEDモニターで、その表面には現在の街が映し出され、昼夜の移ろいで時間が経過していく。夜間には色とりどりの花火が上がり、実際に子どもたちが描いた絵をモチーフにした未来の街に変化する様子がとても華やかだ。

展示の目玉となっているのはボールコースター。デジタル映像と精巧な機械仕掛けを組み合わせたコースターをボールが縦横無尽に走り回る。子どもに人気の展示だが、コースターは転炉やショベルカーなどのコベルコグループのものづくり技術や製品をモチーフにした機械仕掛けが施され、ものづくりからまちづくりへの一連の流れを表現。大人はそのむき出しの機械美に引かれるかもしれない。デジタル映像と連動したボールは未来のエネルギーとして見立てたもので、船で運ばれ社会インフラを通って各家庭に届くようになっている。

ブース奥の高さ5・25メートルもある巨大モニターでは、未来の製造現場や都市空間をダイナミックに映し出し、映像美は圧倒的だ。ここまでのパビリオンでは未来をさまざまな演出で体験しているので、目の前に繰り広げられる未来の映像には、擬似体験とは思えない不思議な没入感があった。

素材、機械、エネルギーの昔と今をつないできたコベルコグループ。時代とともにものづくりの方法は変わってきたが、未来のものづくりに希望を持てる展示となっている。大阪・関西万博の開催は10月13日まで。