2021年6月4日

岡谷特殊鋼センター、新本社工場を建設 移転拡張、来春に稼働 省力省人化で効率向上

 岡谷鋼機の100%子会社、岡谷特殊鋼センター(愛知県大口町、小西秀登社長)は、来年5月の稼働開始を目標に新本社工場を建設する。老朽化および業容拡大に伴う手狭感から、既存の本社・切断工場と機械工場を統合する大型の新本社工場を近隣の新用地に建設するもの。両工場間の材料の横持ちの解消など、将来の事業環境の変化に対応するために省力省人化による効率化をテーマに、夜間・無人操業を見据えた新鋭設備も導入する計画。3日に地鎮祭を実施し建設をスタートした。

 新本社工場の敷地面積は約2万平方メートルで従来の約3倍。住所は愛知県大口町萩島1―45―1。現本社・切断工場の北東約400メートルに立地。建屋面積は6700平方メートルで、既存本社・切断工場と機械工場(愛知県大口町)を合わせた建屋面積の約1・5倍。延べ床面積は工場棟が6400平方メートル、2階建て事務所棟が700平方メートル。来年6月に創立50周年を迎える現本社・切断工場は、約50年を経て老朽化が進んでいることに加え、機械加工を行う機械工場への横持ちのロス、業容の拡大による手狭感も課題だったことで2工場を集約する新本社工場の建設を決めた。

 新本社工場の主要設備は、切断機12台(うち3台新設)、切断機付帯設備としてアームロボットと無人フォークリフト(AGF)各1台(新設)、工作機械13台(既設)、三次元測定機1台(既設)と、既設に加え多品種小ロット生産の省力省人化に向けた新鋭設備の導入も予定する。2階建て事務所棟は1階に執務室および会議室、2階に応接室、会議室、食堂、更衣室、休憩室を設け「福利厚生面も含め職場環境を大きく改善するとともに、社員の業務に対するモチベーション向上にもつなげたい」(小西社長)。

 今月3日には新型コロナウイルス禍を受け、予防を徹底しつつ規模を縮小して地鎮祭を実施。岡谷鋼機からは馬場紀彰副社長、平野隆裕常務が参列し、一連の神事を滞りなく完了した。今後は来年4月に建屋引き渡し、5月大型連休中に移転を行う予定で、小西社長は新本社工場について「量産目的だけの設備投資をするのではなく、効率化を追求することで結果的に加工量のアップにつながる工場。完成後は従来通り協力加工会社との連携を維持していくとともに、できるだけ早急に投資効果を創出していく」と方針を掲げている。