2023年9月14日

鉄鋼業界で働く/女性企画職編/インタビュー(下)/環境への貢献、仕事の軸に

今年2月に新設した企画物流部企画物流課に所属する東京製鉄の織田桜子さん。同社物流網の拡充に取り組みながら、全社横断組織のメンバーとしても活躍している。織田さんに仕事の目標などを聞いた。

――全国で中継地を増やすなど、物流網拡充を加速させている。

「管掌役員である西村康紀・執行役員営業副本部長兼企画物流部長に同行し、候補地の情報収集から決定までの流れを学んでいます。2月以降は中継地を3カ所新設しました。納期遅れはほぼ解消されています。各品種の納期設定を見直すなどルールを再整備し、そのルールに基づき、企画物流部が中心となって全社でアイデアを出し合い、ブラッシュアップしている段階です」

――全社横断的な組織のメンバーとして活躍している。

「販売スマート化プロジェクト、物流スマート化プロジェクトのメンバーです。販売スマート化プロジェクトはDX(デジタルトランスフォーメーション)導入などスマート化の一環で、お客様のデータを一元管理し、マーケティングなどへの活用を進めています。物流スマート化プロジェクトは受注から生産、出荷までのプロセスについて効率化および合理化を目指しています」

――女性活躍推進やダイバーシティに向けた動きが加速している。この流れをどのようにみているか。

「女性活躍推進やダイバーシティへの取り組みは当社内や鉄鋼業界内で確実に進展していると感じていますが、課題もあると思います。当社の従業員は約1000人で、女性の正社員は約30人。女性はマイノリティーであるがゆえに、区別されていると感じることは少なくありません。問題が生じた場合にはすぐに相談していましたが、いろいろと質問しても男女を区別せず、フラットな目線で答えてくださる方も多く、たくさんアドバイスを頂きました。区別される方がいらっしゃったのも事実で、残念に思うことも多々ありました」

「たとえ厳しくても遠慮することなく、男性社員と同じように助言・指導をお願いしたい。私は営業系総合職第1号採用で、入社後6年目に入りました。この6年間はほぼ毎年、営業系総合職の女性が入社し、後輩が増えています。営業系総合職第1号として感じたことはあえて伝えるようにし、より風通しの良い環境づくりに寄与していきたいです」

――日本政府は、30年までに30%以上に引き上げる女性役員比率目標を打ち出している。

「鉄鋼業界内で管理職レベルの女性はまだまだ少ない状況なので、女性活躍推進やダイバーシティへの取り組みについては当事者である女性が関与していないケースが多いと感じています。社内外での交流を深めることによって、女性が関わりながら取り組みを加速させていければいいなと思います。また、女性の採用数を増やすことによる『面積』を広げるだけでなく、役職や経験など『高さ』を上げることも重要で、キャリア形成の支援をしていただきたいです」

――仕事の目標を。

「供給チェーンの最適化と環境への配慮を組み合わせて、さらなるシェア拡大を推進することが目標です。専門知識を深化させて、より戦略的な意思決定ができるよう努力していきたいです。また同世代や、今後業界に入社してくる若い女性たちにも勇気を与え、彼女たちが自分の道を切り拓けるような存在になりたいです」

――シェアの拡大は全社方針でもある。

「当社の鋼材は高炉鋼材に比べてCO2排出量が5分の1。私の力でできる限り世界のCO2排出量を削減したい。そのためにも当社製鋼材のシェア拡大を推進していきます。『当社製品を提供しているだけでCO2排出量は5分の1になる』『働いているだけで環境に優しい』といつも言っています。仕事をする上でつらいこともありますが、私にはこの軸があるので頑張ることができています」(濱坂 浩司)



鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。

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