使用済みアルミ缶（ＵＢＣ）相場が続伸している。季節的要因でＵＢＣ発生量が減少する中、アルミ原料全般の発生量低迷を受けてＵＢＣの買い人気が強まっているためだ。こうした状況を踏まえ、アルミ缶リサイクル大手の新菱アルミテクノは、11月前半に引き続き11月後半分のＵＢＣ購入価格を値上げする方向で検討している。

　 同社は、競合する合金メーカーの買値に対抗するため、11月前半分のＵＢＣ購入価格をキロ７円引き上げた。しかし、合金メーカーも11月前半分でウワ物、スソ物ともに５円の値上げを行ったため、合金メーカーのＵＢＣ買値が同社を再び上回る格好となった。現状のままでは、同社への入荷具合悪化が懸念されるため、11月前半に引き続き、購入価格の引き上げは必至の情勢だ。

　 海外アルミ相場は堅調地合いで推移している。指標となるロンドン金属取引所（ＬＭＥ）のアルミ相場は、２５５４ドル（セツルメント）に上伸。先物相場も２６００ドル台で推移している。国内新塊価格は、週明けからｎ急速な円高・ドル安を受けて、一時、置き場・現金で２９０円台前半まで急落した。

　 一方、アルミ原料全般の発生量は、改正建築基準法施行の影響などで依然低迷しており、「年内の回復は見込めない」（問屋筋）状況となっている。こうした中、二次合金メーカーや脱酸材メーカーは、ＵＢＣ使用量を増やす傾向にある。このため、当面のＵＢＣ相場は、需給引き締まりを受けて引く続き強含みで推移しそうだ。