2000.01.28
三 菱マテリアルは27日、秋元勇己社長の代表取締役会長と西川章・日本アエロジル社長の社長就任を内定したと発表した。6月29日の株主総会と取締役会において正式決定する。記者会見した西川次期社長は、「管理的経営から戦略的経営に変えていく。経営戦略を明確化し、財務体質の改善を行って、株主に目を向けた経営を行う」と抱負を述べた。
 記者会見の内容は次の通り。

 秋元社長=私が社長に就任する時に、激動の時代を迎えるので、21世紀に向けての舵取りを行うといった。その時点で20世紀中に辞めるつもりでいた。また、70歳を越えたので、バトンタッチをしたいということで、候補者選びをした。

 これから連結時代を迎えるので、グループ全体の舵取りをするということで、グループの中から広く選ぶこととした。

 条件は時代を見通す先見性、経営能力、国際感覚、人柄の4点。西川社長は日本アエロジルで、しっかりした経営を行っている。同社は独デグサ社50%、三菱マテリアル50%の合弁会社で、100億円の売り上げ規模の会社だが、ROEは20%を前後している優良会社である。

 西川氏は経験が豊富で語学力も優れている、温厚な紳士であるが、芯がしっかりしており、はっきりとものを言う。

 西川次期社長=大きな会社の舵取りをするということで、重大な責任を感じている。会社の業績を大きく伸ばしたことが評価されたと思っているが、この任にどうこたえていくかで頭の中はいっぱいです。

昨 年12月の伸銅品生産速報は9万2510トンで前年同月比12・9%増加、これで4月以降、9カ月連続して前年同月を上回った。特に11、12月は12%台の2ケタの増加率。これにより99暦年の伸銅品生産は106万トンで前年比3・8%増加した。伸銅品生産は95年の120万トンで過去最高を記録した後、減産し続け、98年の102万トンでここ数年間の「底」を確認してから99年は当初の予想を3万トンほど上回り増加へ転じた。

 昨年12月の品種別生産は、まず銅条2万1250トンで前年同月比25・6%増、銅管1万8280トンで同8・2%増、黄銅条1万2094トンで同9・4%増、黄銅棒2万1910トンで同9・2%増、リン青銅板・条5127トンで同26・9%増加した。これらはリードフレームや端子・コネクターなど電子材やエアコン向け需要が背景となっている。特に電子材向けの銅、黄銅、リン青銅の3条の伸び率が目立った。

 黄銅管は1450トンで同9・8%減少し、前年同月を下回ったのは16品種中2品種にとどまった。

 一方、99暦年の品種別生産(月平均)では銅条1万8893トンで前暦年比7・6%増、銅管1万8408トンで同3・8%増、黄銅条1万1792トンで同3・8%増、黄銅棒2万1682トンで同4%増、リン青銅板・条4511トンで同13・9%増加した。

 これらに対し銅板・棒、黄銅板・管、リン青銅棒などが減少した。

三 菱伸銅は27日、組橋義之社長の後任に桑名哲夫・三菱マテリアル副社長を次期社長とする役員異動を発表した。組橋社長は代表権のある会長となり、柳田節郎会長は相談役に退く。6月29日開催予定の株主総会、取締役会で正式に決定する。

 異動の理由は、収益環境向上を機に、新体制で経営を推進するため。

 桑名哲夫氏の略歴 1962(昭和37)年一橋大学経済学部卒業、三菱金属鉱業(現三菱マテリアル)入社。86年製錬事業本部原料部長、93年取締役・製錬事業本部副事業本部長兼営業部長、93年三菱伸銅取締役兼任、95年三菱マテリアル常務・製錬事業本部長、三菱伸銅監査役兼任、99年3月副社長。宮城県出身、65歳。趣味は神社・仏閣観賞、ゴルフ。

古 河電工とスカイアルミニウムが4月から営業開始するアルミの共同販売会社・ユニファスアルミの役員、組織概要がほぼ固まり、販売目標は年間40万トン強に設定された。

 既にトップ2人は平田英之会長(スカイアルミ社長)、野口昌吾社長(古河電工専務・軽金属カンパニー長)で決まっているが、このほかに取締役員は古河側、スカイ側から各2人、常勤監査役はスカイ側から1人(内田巌常勤監査役=新日鉄)の布陣となる。

 非常勤取締役員は、古河側3人(古河潤之助社長、重村郁雄取締役、和田紘取締役)、スカイ側3人(岩渕勲常務、大橋光夫・昭和電工社長、千速晃・新日鉄社長)。非常勤監査役は2人の予定。

 また、本社の組織体制は営業3部、鋳鍛、営業企画の5部門を柱とする。支社は6カ所となり、関西、中部のほか、九州、北海道、東北、中国の4支社は業務を委託する予定。

 営業各部および支社の主な扱い品目、売り上げ目標は次の通り。

 [営業部]▽1部=缶、輸出(19万トン)▽2部=自動車熱交、輸送、電気、印刷、箔地(7万トン強)▽3部=OA、再圧延、建材、カラー製品(6万トン)

 [支社]▽関西=箔、電気、建材、店売り(3万5000トン)▽中部=自動車熱交、輸送(2万5000トン)▽九州=業務委託(8000トン)
日 本アルミニウム協会は27日、99暦年のアルミ圧延品(板、押出)・箔の需給速報を発表した。それによると、圧延品の生産は前年比2・0%増の237万トン、出荷は同2・9%増の238万トンで、ともに2年ぶりにプラスに転じた。

 圧延品の需要は、アジア向け輸出の堅調や、内需の復調で板類が過去最高を記録、押出類も建設・サッシ向けで回復。さらにY2K問題に対応して年末の需要が増加、全体の数量アップに寄与した。

 板類は、生産131万トンと2・8%増、出荷133万トンと4・7%増で、それぞれ2年ぶりに増加、過去最高を記録。

 押出類は、生産105万トンと0・9%増、出荷も105万トンと0・7%増で、ともに3年ぶりに増加、減少傾向に歯止めがかかった。

 箔は生産14万トンと2・8%増、出荷も14万トンと3・3%増で、それぞれ2年ぶりに増加。主力のコンデンサーが持ち直したため。

 昨年12月単月の需給速報によると、圧延品の生産は前年同月に比べ8・3%増の19万7215トンと8カ月連続の増加。出荷は9・1%増の19万9248トンと7カ月連続の増加。

 板類は生産が9カ月連続の7・2%増、出荷は7カ月連続の8・7%増。押出類は生産、出荷とも2カ月連続の各9・6%増。

 箔の生産は9カ月連続、出荷は10カ月連続のプラス。

日 本鉱業協会の金谷浩一郎会長(同和鉱業社長)は27日の定例記者会見で、(1)資源セキュリティの観点からWTOの次期交渉を注視する(2)減耗控除制度の再延長を要望(3)製錬技術を循環型社会構築に活用(4)銅、鉛、亜鉛3地金の市況見通し、など製錬業界を取り巻く内外の課題について次のような所信を表明した。

 【WTO】  昨年11月30日から12月3日にかけて米国シアトルで開かれたWTOの閣僚会議は、次期交渉の枠組みをめぐり決裂した。これは参加135カ国の国益が鋭く対立した結果にほかならない。現時点でいつ再開されるか分からないが、われわれは今後の交渉の行方を注視しつつ、資源セキュリティの確保の観点から、経済の基礎素材としての非鉄金属が支障なく安定供給でき得る体制が維持されることを強く臨む。

 【減耗控除制度の再延長】  2000年度の鉱業関係政府予算並びに鉱業税制についてはほぼ当初の要求通り達成できる。海外投資等損失準備金の延長は認められたが、今年は減耗控除制度の期限を迎える。同制度のさらなる延長の必要性は資源セキュリティの観点から言うまでもない。関係者の力を結集してその実現に注力する。

 【環境対応】  ダイオキシン類対策法がこの15日から施行された。また、通常国会で循環型社会基本法案をはじめとして廃棄物関連法案が提出される見通し。このような時代背景にあって、廃棄物の減量化と資源リサイクルは極めて重要な課題。製錬・選鉱技術を基盤にして循環型社会に適合した役割を担っていきたい。一例として先日、大館市長と会った際、同市は廃棄物を高温溶融炉で焼却するエネルギーを電気、蒸気に転換するなど地域の拡大・活性化に結び付けようとしている。ただ転換時に発生するCO 2が問題で、この対策として秋田杉の植林を行う構想だ、という。このように(製錬サイドの)個々の技術と(循環型社会構築という)トータルシステムをいかに組み合わせていくか、それが大事だ。

 【景況】  経企庁の1月の産業活動動向では調査対象の19業種のうち、3業種の業況判断が前回昨年11月の調査と比較して上方修正された。しかし、1業種は下方修正されるなど業種によるバラツキが見られる。

 【非鉄金属市況】  ▽銅=米国景気の好調持続に加え、アジア経済の本格回復によって銅相場も堅調に推移。LME価格は2年ぶりに1900ドルを回復。

 ▽亜鉛=需要の45%を占める亜鉛メッキ鋼板の東南アジア向け輸出が堅調に推移。価格予想は今年前半強含み、後半弱含み。

 ▽鉛=ほぼ前年並みの需要を予測。

加 アルキャン・アルミニウム社はこのほど、2000年の西側世界のアルミ新地金需要は2025万トンで99年見込み比3・3%増加、供給は2015万トンで同2・8%増加、需給バランスは10万トンの供給不足に転じるとの見通しを発表した。また同社は2000年の西側世界のアルミ新地金および2次地金需要は99年見込み比3・3%増の2795万トンに拡大すると予測している。

 同社は2000年の西側世界のアルミ新地金生産を99年見込み比3・8%増の1760万トン(15万トンの休止設備操業再開を含む)、東側世界からの輸入を同3・8%減の255万トンと見込み、需給は99年の均衡から10万トンの供給不足を予測している。

 一方、同社は2000年の西側世界のアルミ新地金・2次地金需要は99年見込みの2705万2000トンから2795万トンへ拡大すると予測。地域別では南米、アジア、欧州での同5・7―3・0%の伸びを見込んでいる。