2000.02.08
ア ルミ缶材などアルミ製品の輸出が大幅に減少する見通しだ。主力の東南アジア向け缶材が円高の影響で「昨年比で半減する」(大手商社)との見方が強まっているため。アルミ製品の輸出は昨年、円安傾向を背景に過去最高を記録したが、年後半からの急激な円高で一転して輸出採算が合わなくなっている。神鋼アルコアアルミ(KAAL)や住友軽金属工業などこれまで輸出頼み″で稼働率を上げてきた大手軽圧各社へ大きな打撃を与えることになりそうだ。

 大手軽圧各社は長引く需要の低迷に苦しんだものの、99年の板類の生産量(速報値)は131万トンで前年比2・8%増と過去最高を更新した。

 その牽引役となったのが輸出。1―11月の累計で約27万トンと前年比20%の大幅増となり過去最高に達するとともに、通年でも30万トンに迫る勢い。板生産の約2割を輸出が占める計算で、その大部分はアルミ缶材。主力は中国や台湾、韓国、タイ、マレーシアなどの東南アジア向け。

 ただ、輸出は国内向けに比べ出荷価格が安値のため、各メーカーとも採算的には非常に厳しいビジネス。それでも内需の落ち込みをカバーし、各社の稼働率アップに大きく貢献してきた。

 輸出契約は通常、前年の末までにその時の為替レートに基づいて行われる。98年末は1ドル=120円台の円安にあったことが追い風となり、99年の輸出増につながった。

 しかし、99年になって円相場が急騰し、昨年末には1ドル=105円まで円高が進んだ。前年に比べ約15円も円高となったため、円建ての輸出価格が大幅に目減りした。

 このため、輸出採算は大幅に赤字となり、各メーカーとも大半の契約を断念せざるを得ない状況。さらにアルキャンなど米メジャーの東南アジア市場での巻き返しも本格化している。

 急激な情勢の変化に対応するため、各メーカーとも契約時期を3月まで引き延ばしているものの、数量的には「好調だった昨年に比べ半減すると聞いている」(大手商社)など大幅な落ち込みは避けられない。缶材最大手のKAALや住友軽金属など軽圧各社は景気回復の兆しも見えないうえに、頼みの輸出も大幅減となれば、来期の業績への影響も一層深刻化しそうだ。

大 手非鉄製錬メーカーの1―2月電気銅販売量は、好調であった昨年11―12月の反動もあって低調である。電線向けがさえず、伸銅向けも予想されたほどには伸びていない。このため販売量は昨年11―12月を下回り、月間9万トン割れとなりそうだ。製錬メーカーでは3月の販売に期待をかけている。

 製錬メーカーの国内販売は昨年11月が9万1400トン、12月は9万4400トンと前年同月を上回り、増加傾向をだどっていた。これはY2K問題で電線、伸銅メーカーが製品を多目に生産し、在庫を積み増すため、銅の買い付けを増やしたことによる。

 今年1―2月は、この反動と不需要期のため需要家の銅の手当て量が少な目となっている。加えて電線の需要が設備投資の低迷により依然としてさえないことや、伸銅品も増加傾向にあるものの、期待されたほどには伸びていない。

 このため1―2月の製錬メーカーの銅販売量は低調に推移しており、昨年11―12月の販売量を下回ることが確実とみられている。

 ただ、3月は例年、需要が伸びる月であり、11―12月の反動もなくなるので、銅販売量は上向くと製錬メーカー各社は期待をかけている。

 3月以降の電線需要はさして伸びないと予想されるが、伸銅は電子材と銅管の生産が拡大するので、増加が目立つとみられている。

権 田金属工業(本社=神奈川県相模原市、権田源太郎社長)は昨年末から1月にかけて黄銅棒、銅棒、ブスバーなどを中心に月間平均500トン弱で前年同月比10%増の生産を継続している。

 権田社長によると、昨年、底ばいで推移してきた伸銅品需要が10月に入ってから底打ち、反転し、黄銅棒などの受注が活発化し出したという。同社ではこうした受注増を背景に10月の生産数量が黄銅棒140トンから150トン、銅棒およびブスバーなど340―350トンへと前年同月より10%方底上げされるようになった。

 昨年11、12月の2カ月もほぼ同様な生産レベルを保ち、年明け1月にも引き継がれている。

 これらの最終需要分野は問屋売りが多いためハッキリしていないが、「情報通信の設備投資関連が多い」(権田社長)ようだ。

 なお、同社では足元の受注動向から判断して2、3月とも500トン弱の操業を続ける見通し。

2 月第2週の海外貴金属相場は、金がカナダ大手産金業者のヘッジ計画見直しを受けて310ドル前後で堅調に推移しそうだ。銀も金相場高に追随して550セント前後で底堅い見通し。白金はロシアの輸出停止に伴う需給ひっ迫感の強まりを背景に波乱含みの展開を続ける見込み。

 前週は、NYC金がカナダ大手産金業者のヘッジ停止発表を好感して310ドル台に乗せ、NYC銀も550セント台と、ともに昨年10月中旬以来の高値に上伸。NYMEX白金は供給ひっ迫感から470ドルを超えて堅調。

 前週末のNYC金は310・4ドルと1週前に比べ27・4ドル高。NYC銀は554・7セントと同比24・0セント高。NYMEX白金は479・5ドルと同25・7ドル高と総じて強基調。

 前週末のNYC金市場は昨年12月から続いた200―280ドルのレンジを上抜き、心理的な抵抗線とされた300ドルを一気に突破した。これによって同市場の地合いは好転したとの見方が多い。

 金相場が前週末に急騰したのはカナダの大手産金業者であるプレーサー・ドーム社がヘッジ計画の見直しを発表したためで、投資筋のショートカバーが集中して相場を押し上げた。同社は「280―290ドルという現在の相場水準は安い」と今後の金相場に楽観的な見通しを表明するともに、「ヘッジの必要はない」と同業他社にもヘッジ計画の見直しを呼び掛ける方針を明らかにした。さらに同社は昨年の金生産が315万オンスに達したとも発表した。

 また、米国のインフレ懸念の再燃も貴金属相場の地合いを強める材料と市場筋は見ている。前週末に発表された米国雇用統計で景気加熱感が強まり、金相場急騰の一要因と市場筋は指摘している。このため、金相場は下値を切り上げ、当面は300ドルから310ドルあたりを中心に堅調に推移しそうだ。

 一方、白金はロシアの輸出停止によって供給ひっ迫感は一段と強まっており、ロシアの輸出が再開されるまでは上伸基調をたどるとの見方が大勢となっている。

中 部地区アルミ二次合金メーカー各社は前週末、2月前半のアルミスクラップ購入価格について「全品種5円の引き上げ」とする方針を固め、関係原料問屋筋に通知した。

 関係筋によると、「新塊相場の堅調推移を反映して一律5円上げとした。これだけ原料相場が急伸すると製品販価への転嫁が遅れがちとなるが、なんとか採算重視に注力したい」としている。

 当面の地区アルミ二次合金メーカーの原料買値は新くず1級・63S合金新くずで135円、合金新くずで125円、機械鋳物で102円、63S合金くず(解体物)・合金削り粉・缶くず(プレス品)で85円、缶くず(バラ)で55円どころが一応のメドと推測される。