2000.03.16
大 手非鉄製錬各社の2000年度の単独業績見通しは増益となる方向にある。これは(1)リストラを完了して経費削減が進んでいる(2)2000年度の銅、亜鉛地金販売量は99年度並みまたは伸びが期待できる(3)電子材部門の収益が一段と高まる―などのプラス要因が指摘されているため。為替相場が1ドル=105円以上のドル高・円安で推移、非鉄相場も99年度水準または同水準を上回れば、銅の製錬加工費(TC・RC)縮小というマイナス要因をカバーできる見通し。

 日鉱金属は2002年までの中期計画の中で、2000年度に純利益91億円(99年度見通し85億円)と想定している。銅製錬部門は増産による販売量の拡大で収益増加を予想しているほか、亜鉛製錬、金属加工、精密加工、環境リサイクの各事業部門でも利益の伸びを期待している。

 住友金属鉱山は2000年度に増収増益を予想、純利益は45億円(今期見通し40億円)を見込んでいる。ニッケル部門で大幅に収益を伸ばすことが最大の増益要因であり、住宅建材部門のリストラ完了も業績改善に大きく寄与する。

 三菱マテリアルは2000年度にインドネシアのグレシック銅製錬所の赤字が縮小するほか、半導体向けが好調、シリコンも回復傾向が顕著となり、増益が見込まれる。

 三井金属は製錬部門の収益が買鉱条件の悪化で期待できないものの、高付加価値の電解銅箔や液晶向けTABテープなどの電子材が好調なため、増益が想定されている。

 同和鉱業も買鉱条件悪化によって製錬部門の収益は伸び悩むが、リストラの完了による人件費の削減、および伸銅品を中心とした金属加工部門の利益拡大などにより増益を見込んでいる。 古河機械金属は建設機械部門の不振が続き、銅も製錬加工費の低下で厳しい環境にあるが、合理化効果による増益を予定している。

 東邦亜鉛は製錬部門の収益が横ばい程度だが、待機電力節電用コイルなどの電子部品が好調なため、99年度より小幅の増益を見込んでいる。

洋 白板・条はパソコン、携帯電話、ゲーム機など電子材料としておう盛な需要が続き、2月の生産は昨年11月以来、3カ月ぶりに800トンの大台に乗ったようだ。前年同月の生産667トンに比較すると、20%強も急増し、また、納期もこれまでの40日前後から2カ月へと銅・リン青銅条と同様に大幅に遅延化している。

 伸銅メーカーによると、洋白板・条の1月生産は784トンで正月休みによる操業日数との関係から同月として過去最高を記録。この勢いは2月以降に引き継がれて、さらに増産に拍車が掛かっている。もともと生産規模が限られている品種だけに、内需ばかりか東南アジア向け日系企業に対する輸出が増えていることも納期遅延の要因につながっている。

 都内の伸銅品問屋によると、洋白板・条メーカーでは営業担当者がユーザーに供給する玉を確保するため「社内で取り合い」をしている状況も起きている、という。

 また、これまで洋白板・条の主な需要分野であった水晶振動子のケースや洋食器向けは低調で、板・条以外の線、棒もそれほど動いていないようだ。

 洋白板・条の月別生産は91年3月に852トンの過去最高を記録した。ただ、当時と比較して主な需要分野が電子材へとシフト化されている現状から、板・条メーカーは薄肉化を求められ、圧延工程数がかかっているため、関係者の間では「レコードを塗り替えるのは難しいのではないか」とみられている。

 なお、板・条メーカーは今後、ニッケル高を価格に転嫁していく方針。

住 友電装(本社=三重県四日市市)は15日、海外での機器用ワイヤハーネス事業拡大に対応するため、機電事業部を分社化し、100%子会社の香港電装と合弁で本社内に新会社「住電装メディテック」を4月1日付で設立すると発表した。

 新会社は資本金3億円、出資比率は住友電装51%、香港電装49%。社長に小島暎孝・住友電装専務が就任、従業員は130人の予定。事業は民生機器・自動車機器用ワイヤハーネスの製造・加工、販売。売上高は2000年度85億円、2001年度90億円、2002年度100億円の見込み。

 同社の機電事業部は民生機器・自動車用ハーネスを扱っているが、同製品は需要家の海外展開に伴い国内需要が減少。このため同社は国内事業のスリム化、グローバル化を目指して構造改革を検討している。一方、香港電装は民生機器用ハーネスの生産を拡大、自動車用ハーネスも北米市場向けを中心に大幅な増産を見込んでいる。

 新会社は機電事業の海外事業に対応した企画、設計、試作、マーケティングを展開するほか、住友電装の開発技術力を活用した光ハーネス、各種モジュール対応製品、高速通信対応配線材、車載ITS分野など機電分野の新規開発も推進する。

ガ リウム・ヒ素など化合物半導体材料の出荷が好調に推移している。新機能化合物半導体懇談会(会員8社)がまとめた98年度の国内出荷額(輸出含む)は前年度比3%減の452億2400万円だったが、99年度は過去最高の500億円台乗せが確実視されている。需要の牽引役は携帯電話や光通信などの情報関連分野。2000年度についても引き続きこれらの分野の拡大が見込めるため、各社とも強気の姿勢を崩していない。

 同懇談会が昨年秋に発表した99年度の上期(4―9月)出荷額は前年同期比16%増の266億900万円だった。下期についても同様の傾向が続いており、主要3分野の金額は軒並み増加。ガリウム・ヒ素は携帯電話のマイクロ波素子向けが伸びているほか、インジウム・リンはWDM(波長多重伝送)システムに用いられる光ファイバー増幅器向けが拡大。ガリウム・リンは昨年度の在庫調整も完了し、家電や携帯電話の表示部に使うLED(発光ダイオード)向けが良好だ。

 来年度も情報通信分野の市場拡大が予想されることから、化合物半導体材料の出荷は堅調に推移する見通し。特にDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)プレーヤーなどデジタル情報家電の普及により、光源に用いるLD(レーザーダイオード)向けの需要が期待大。また、これまで価格が下落していたLEDは一部の台湾メーカーが値上げに動き出すなど需給が好転している。

 こうした状況から、設備増強に乗り出すメーカーが増えてきており、日立電線では72億円の大型投資を来年度に実施することを決定、ガリウム・ヒ素エピタキシャルウエハーの増産体制を敷く計画。また、住友電工でもガリウム・ヒ素やインジウム・リンの拡充を急いでおり、各社とも売上増を目指している。

日 本電線工業会がまとめた99暦年の電線品種別受注・出荷実績によると、銅電線は景気低迷を反映し受注、出荷量ともに輸送用を除く6品種が軒並み98年実績を下回った。

 99年の銅電線受注量は前年比2・6%減の90万4400トンと3年連続で減少。品種別では電力用電線をはじめ6品種が前の年に比べ1ケタ台の落ち込みとなった。輸送用電線は軽自動車の規格変更に伴い3・6%伸び、2年ぶりに増加した。

 出荷量は前年比5・1%減の90万2501トンと2年連続の減少で、輸送用電線を除いていずれも1ケタのマイナス。裸線は電気機械向けを中心に2年連続で7・3%減少、10万トンを割った。重電、家電用を中心とする巻線も4年連続で2・4%減少、18万トン台に後退した。機器用電線は電子・通信機械や家電用に2年連続で5・0%減少。

 また、通信用電線は通信ケーブルの光ケーブル化の影響などにより3年連続で4・8%減少、5万トンを割り込んだ。電力用電線も電力事業者の設備投資抑制により2年連続で6・8%減少、27万トン台に下落。被覆線は建設需要の低迷を背景に3年連続で6・2%減少。輸送用電線は軽自動車の規格変更により3年ぶりに3・4%伸びた。

 銅電線の出荷金額は銅価の下落も加わり、前年比10・4%減の1兆221億円と2年連続のマイナス。品種別では輸送用電線を除いて減少し、裸線、巻線、電力用電線、被覆線の4品種は2ケタ落ち込んだ。

 裸線は13・5%減の352億円、巻線は11・4%減の1032億円、機器用電線は4・4%減の1849億円、通信用電線は8・5%減の892億円、電力用電線は30・1%減の1687億円、被覆線は13・5%減の1433億円、輸送用電線は4・2%増の2972億円。

米 アルコアは14日、航空機器部品の世界大手メーカー、コーダント・テクノロジーズの発行済み全株式を1株当り57ドルのキャッシュで買収することで最終合意に達したと発表した。この合意内容はすでに両社取締役会の承認済みで、同社としては司法当局の認可を待って契約を早期に完了したい考え。アルコアは米アルミ大手のレイノルズ・メタルズの買収準備も進めており、これら2社の買収が完了すると従業員14万3700人、売上高235億ドルの規模に拡大する。

 コーダント・グループの従業員は1万7000人で、米、加、仏、英、日本など世界各国58カ所に製造拠点を持つ。売上規模は年間25億ドル。同グループは航空機・電力向けのアルミ、超合金、チタン部品の大手ハウメット・キャスティング(従業員1万800人、売上高14億ドル)、大手ファスナー・メーカーのハック・ファスナーズ(2500人、4億6500万ドル)、ロケット推進システム機器のティオコール・プロパルーション(3800人、5億8800万ドル)で構成される。

 アルコアのコーダント買収総額は、株式取得22億8000万ドル、借入金負担6億8500万ドルの合計29億6500万ドル。アルコアは買収完了後、コーダントが未保有のハウメット株式15%の追加取得も計画している。

 同社はこれまで米ボーイング社対応を中心に航空機材料開発に注力することで同業界向けの圧倒的なシェアを確保してきている。今回のコーダント買収は、最先端技術を持つ部品産業を取り込むことで、米自動車業界や欧エアバスなどとのパイプをより強固なものとすることが狙いとみられる。

 なお、アルコアは米アルマックスの買収、昨年のレイノルズの買収提案(当局認可待ち)、昨日の豪イースタン・アルミニウムの買収提案などアルミおよびアルミナ市場における国際シェア拡大に向けて積極的な動きもみせている。

日 本電子材料工業会はこのほど、2000年1月の国内における電子材料生産実績をまとめた。それによると、会員各社の総生産額は前年同月比12%増の339億200万円で6カ月連続のプラス成長を記録。前月との比較では稼働日の関係からやや落ち込んだものの、IT(情報技術)革命の進展を受けて高水準での生産が続いている。

 生産額を部門別にみると、金属材料部門は29%増の64億7300万円で高い伸びとなった。このうち、耐食耐熱材料を除く6品種がすべて20%以上の増加。特に、リードフレームが好調の管球半導体材料は41%増、TVブラウン管用シャドーマスク材などで構成する特殊材料が35%増、コネクターやICソケットなどに利用されるバネ材料が34%増などとなっている。

 また、永久磁石部門も2%増の89億7100万円で増えた。内訳は生産額の7割近くを占める希土類磁石が2%増、フェライト磁石も2%増、鋳造磁石は底堅く5%増となっている。希土類磁石については重量ベースで19%増となっており、パソコンやMRI(磁気共鳴医療診断装置)向け以外にも、家電や自動車のモーター用途が着実に増加している。

 このほか、軟質焼結部門は3%減の48億9400万円。バリスタとサーミスタで構成する半導体セラミックス部門は17%増の41億8100万円。機能回路素子・セラミック基板部門は光通信向けが堅調で3%増の6億2000万円。圧電セラミックス部門は携帯電話向けの高周波フィルターなどが伸びて21%増の87億6200万円と好調に推移している。

フ ジメタル工業は15日、3月後半積みの減摩合金販売価格を改定した。それによると、円高進行に伴う錫や銅の購入価格の値下がりを受けて1種から7種が下落。下げ幅はキロ当たり5円から15円となった。

 指標となる海外LME錫相場の3月前半平均値はトン当たり5574ドル。2月後半平均値と変わりはないが、為替の円高進行により錫価が下落。銅価なども値下がっているため、減摩合金販価は1種から7種が下がった。