2000.06.29
リ ン青銅板・条はおう盛なIT(情報技術)関連需要を背景に、年内5500トン前後(月平均)のフル生産体制を継続する見通し。関係者の間では「板・条メーカーはさらにリン青銅板・条生産に特化する公算が大きく、2001年には6000トンの大台へと底上げされるのではないか」と増産の方向性を示している。その半面、「過去の経験に照らし合わせると、(需要の)足が速い品種だけにいつ受注が減少するか分からない」と増産には二の足を踏んでいる向きもあるようだ。

 ここ1年間の月別生産推移は別表の通りで、2000年3月に5571トンの過去最高を記録したばかりで、4、5月とも操業日数との関係で5300トンから5400トン台で推移している。

 日本伸銅協会調査統計委員会が3月末時点で調査したリン青銅板・条の実稼働能力は5910トンで前年同月比13%増加した。同調査と比較すれば、足元の5500トン前後の生産を6000トン弱へと引き上げていくことは可能。

 リン青銅板・条メーカーは日鉱金属を筆頭に原田伸銅所、三菱電機メテックスの3社が大手で、古河電工、神戸製鋼所、清峰金属工業などが続いている。

 これらのうち、数社がさらにリン青銅板・条の生産にシフト化する意向と伝えられ、仮に今後、設備投資に踏み切った場合、来年には6000トンの大台に達しそう。

 ただ、ユーザーから求められるリン青銅板・条の板厚は1年ほど前まで平均して約0・2ミリだったが、最近では0・15ミリからさらに薄い0・1ミリへと進展している。このため販売数量を同じとしても長さで60%ほど伸びている、という。

 パソコン、携帯電話、移動体通信、ゲーム機、デジタル家電などIT関連に使用されるコネクター需要は今後とも極薄化の方向を示している。

古 河電工の高精度アルミ厚板「FP52」生産・販売量が前年比約2倍と好調に推移している。主な需要先である半導体製造装置向けなどが堅調なこともあり、高精度厚板の数量は高レベルを保っている。

 古河電工の「FP52」は発売からすでに3年以上たち、後発ながらここにきて数量を伸ばしている。同製品の主な特徴としては、板厚精度を高めたことに加え、国内最大の5600トンストレッチャー使用によりフラットネスを大きく向上させた点。さらに、残留応力を完全に除去し、切断・切削時の加工歪み発生を防止した。製造サイズ(規格品)は、板厚が4―50ミリ、幅1000×2000ミリ、1250×2500ミリ、1525×3050ミリ。主な用途先は、OA・光学機械、コンピューター周辺機器など。

 足元の状況としては、同社福井事業所で生産する厚板月間約1400トン(焼き入れ材含む)のうち、10%以上が高精度厚板で占められる。「FP52」はほぼフル生産状態にあり、物によって納期面でタイトな状況。このため、今後は歩留まりアップなど、製造工程で改善を図っていく。また、営業サイドとしては、一般の板材に比べコストがかかっていることもあり、エキストラの徴収など適正マージンを確保した販売に努めていく。

 なお、今後の見通しとしては、半導体製造装置を牽引役とした、いわゆるIT需要の勢いに衰えが見えないことから、厚板需要は当面高水準を維持しそうだ。

日 本アルミニウム協会は28日、5月のアルミ圧延品・箔の需給速報を発表した。それによると、圧延品の生産は板・押出合計で前年同月比5・1%増の20万4705トンとなり、13カ月連続でプラスを記録。また、出荷は同5・5%増の20万1697トンで、12カ月続けて増加した。輸出は大幅減の状態だが、缶材・印刷板・自動車などの内需が堅調で、非建材部門を中心とした押出類も底堅く推移。箔は生産・出荷それぞれ5月単月レベルで過去最高の数量になるなど、総じてしっかりした展開となっている。

 5月の圧延品生産・出荷の内訳を見ると、板類は生産11万8926トン(同3・4%増)、出荷11万4899トン(同3・1%増)となり、生産が14カ月連続、出荷は2カ月ぶりのプラスとなった。

 一方、押出類は生産8万5779トン(同7・6%増)、出荷8万6798トン(同9・0%増)と、生産・出荷とも7カ月連続で増加した。

 また、箔は生産1万1753トン(同11・9%増)、出荷1万1846トン(同5・8%増)で、生産が14カ月連続、出荷は15カ月続けてプラスになった。主力のコンデンサーが堅調で、生産は2ケタ増を達成した。

 なお、5月末の在庫は、板類6万6097トン(同13・7%減)、押出類1万7877トン(同4・5%減)で、圧延品の合計は8万3974トン(同11・9%減)。また、箔は7137トン(同4・1%減)となった。

三 菱マテリアルは、従来よりも精度を高めた無研磨タイプのスローアウェイチップ(刃先交換チップ)を開発するとともに、これを搭載した正面フライス「ASX445形」の販売を開始すると28日発表した。焼結技術やプレス成形技術を改善することで、チップの寸法ばらつきを従来品の3分の1に抑え、研磨チップ並みの高精度の仕上げ面を可能にした。販売開始日は7月1日。同社では本体およびチップ合わせて初年度3億6000万円の売り上げを見込んでいる。

 一般的にフライス加工を行う場合、フライス本体に搭載するスローアウェイチップには研磨加工したものを多く使う。無研磨タイプは研磨タイプに比べてコストは安いが、仕上げ面の粗さや高さ寸法精度が劣るのが欠点。このため、無研磨チップは最初の荒削り加工に使われる程度で、仕上げ切削などには研磨チップが使用されている。

 これに対し、今回開発した無研磨チップではプレスや焼結など各工程での技術レベルを向上させることで、これまで難しかった高精度加工を実現。寸法ばらつき精度を従来品の3分の1に抑え、仕上げ切削での利用を可能にした。また、従来チップの固定方法はくさび止め方式が一般的だったが、ASX形では独自のチップ飛散防止機構を持つスクリューオン方式を採用、遠心力によるチップの飛び出しを防止できる。

 チップの材種には超硬合金やサーメットのほか、コーティング材もある。本体には特殊合金鋼を使用しているほか、耐腐食性を高めるためにニッケル系コーティング膜を施している。加工対象はスチール、ステンレス鋼、耐熱鋼、鋳鉄、アルミ合金までと幅広い。価格は本体がアーバ形直径50ミリタイプで3万1000円、シャンク形直径50ミリタイプで3万8600円、チップ価格は研磨タイプに比べて1割ほど安く、コーティング無研磨チップの場合は1個800円。

通 産省は28日、5月の非鉄金属地金統計速報をまとめた。それによると電気銅の生産は12万4000トンと前年同月比10・7%増で12万トン台に乗せた。ただし出荷は12万トンを割った。電気鉛と亜鉛の生産は微増であった。

世 界第2位の銅プロデューサー、米フェルプス・ドッジ・コーポレーションは27日、リストラ経費の計上、電力および燃料費の高騰などにより第2・四半期および通年の業績が当初見通しを下回ると発表した。

 同社は先のサイプラス・アマックスの買収を機に大幅な組織の見直しを進めており、具体的にはアリゾナ州マイアミにある銅鉱山の操業規模を縮小しているほか、ベネズエラのワイヤ・ケーブル・プラントの操業を停止、またエル・サルバドルにある電話線工場の操業を第3・四半期末までに閉鎖するなどのリストラ策を進めている。