2000.08.11
大 手非鉄製錬メーカーの本年度業績見通しは、8月現在の状況では上期は当初予想の経常利益通りか、これを上回る見通しにある。電子材関連のウエートの高いメーカーは予想を上回る利益を出す方向にあるが、このウエートの低いメーカーは予定通りの経常利益となる。各社は利益の拡大を目指して電子材の売り上げ拡大に一段と注力している。

 業界全体でセグメント別にみてみると、IT革命の影響で電子材の好調が際立っている。これに対して製錬部門は、予定通りの業績で、見通しを上回るということはなさそうだ。

 それ以外の部門は、まだ厳しいものもあるが、不採算部門のリストラがかなり進行して、全体の中での影響は少ない。

 三菱マテリアルは、製錬部門はマレーシアのグレシック銅製錬所の立ち上がりの赤字があるため厳しいが、セメント、アルミ、シリコン、非鉄材料、加工製品、先端事業、地球環境などは順調で、見通しの連結上期経常利益130億円が確保できる見込み。

 三井金属は、電子材料の利益が好調で、製錬部門はおおむね予定通りとなり、全体では予想同128億円を上回りそうだ。

 住友金属鉱山は、製錬部門でニッケルの利益が大きく出るが、これは相場が見通し通りに落ち着きそうなので予想通り、電子材料は好調。全体として見通し同90億円は十分に確保できる方向。

 日鉱金属は、製錬は予定通りと金属加工は好調で、予定の同90億円かこれをやや上回る利益となりそうだ。

 同和鉱業は、予想の同40億円を確保する方向で業績が進展している。

 古河機械金属は、機械関係の業績が厳しいが、同10億円の経常利益は予定通りである。

 東邦亜鉛は予定の同10億円程度とみられる。

旧 盆休み直前に黄銅棒の駆け込み受注が相次いでいる。昨年とは一変した動きで、従来の携帯電話・パソコン・半導体製造設備投資などからの引き合いは通常のペースだが、ガス機器・水栓金具など住宅関連向けなど中径サイズに対する秋口納入分としての受注が新たに加わっている。

 都内の中堅伸銅品問屋によると、「1―6月の平均と比較すると、足元の受注は短期集中的には2、3倍のボリュームに達しているが、問題は仲間玉ですら融通が利きにくくなっている中で、いかに現物を確保するか」に頭を悩ましている。

 また、伸銅品問屋は今月11日あるいは12日から16日ごろまでお盆休みに入るところが多い。大半の問屋は休み明け17日以降の玉確保について、「これまで仲間から玉を融通してもらいながら、何とか納期をやりくりしてきた。しかし、黄銅棒メーカーは予定通り長期の夏休みを取っているため、9月以降の納期にさらに問題が生じるのではないか」と懸念している。

 一方、関東地区の大手黄銅棒メーカーはこれまでの受注ごとの生産方式を採用してきたが、限定された人員およびコストとの観点から、今後は同じサイズを集中・効率的に生産する方式に切り替える方針。これが軌道に乗れば、現在、平均して1カ月半から2カ月程度の納期遅延は改善されそう。  ただ、新生産方式が主流になると、小回り的な受注に対応しにくくなるものと思われる。

国 内の鉛地金需給がひっ迫しているが、秋口以降もこの傾向が続く見通しである。需要がバッテリー向けの増加で拡大するのに対して、供給は国内生産が微増にとどまり、輸入も期待できないため、供給不足が続くことによる。

 バッテリーが猛暑で補修用バッテリーの販売が増大し、9月以降バッテリーメーカーが増産に転じるとみられている。

 今年のバッテリー向けの電気鉛・乾式鉛の製錬メーカーの出荷は3月の1万5000トンをピークに4月14800トン、5月1万3400トンで推移している。9月は3月並みの1万5000トン程度となりそうだ。

 バッテリー以外の販売は低調に推移すると予想されるが、月5000トン程度で横ばいとみられる。9月は2万トン程度の販売となる。

 これに対して生産は月2万トン強程度でフル操業とされている。また、輸入は主力の中国が出さないのでほとんど期待できない状況。

 このように、需要と供給がおおむねフィットする形だが、製錬メーカー在庫が1万トンを割っており、販売量の半月分と少なく、製錬メーカーの荷繰りがかなりきついものとなっている。

 この在庫低水準は、秋口以降も続くわけで、鉛地金の荷繰り難は年内は解消しないとみられる。

東 京都伸銅品商業組合(理事長=吉江俊雄・三伸林慶社長)は共同購買事業の一環として前月下旬、新車を購入するより安いメリットを有するカー・リース団体の斡旋を始めたが、その第1号として村田洋白商店(村田謹一郎社長)が契約した。

 カー・リースはほとんどの大企業で採用されているが、これまで中小企業や個人事業主の場合、リース料が別建てで設定され、必ずしも有利とは言えなかった。今回の団体契約は大企業並みの条件が実現されることになり、同組合では「新車購入を予定している会員にはぜひ、利用してほしい」と広く呼びかけている。

 カー・リースはリース会社が車両を購入し、一定期間・一定料金で賃貸することで、レンタカーとは異なり、契約者が車検上の使用者となる。ボディーカラー、社名文字書の使用も選択可能。その他のメリットしては(1)リース料の全額が損金処理できる(2)車両購入代が不要(3)毎月一定のリース料で資金計画を立てやすい(4)新車購入とリース期間のリース料総額に大差がない、など。

東 邦亜鉛は10日、無担保新株引受権付社債の発行を決定したと発表した。同社および子会社の役員・監査役などを含む経営幹部と一部従業員の計203人にインセンティブ・プランとして新株引受権証券を取得させることにより、3カ年経営計画の達成など業績向上や企業価値創造への意識高揚を図るため。同制度の導入は非鉄製錬業界では初めてのケースとなる。

 対象の取締役、監査役に対しては新株引受権証券を報酬の一部として支給し、同役員を除く経営幹部および従業員には同証券を購入する権利を付与する。

 社債(東邦亜鉛第1回無担保新株引受権付社債)の発行総額は5億円。社債券の形式は無記名式利札付に限る。発行価額は額面100円につき102円。償還金額は額面100円につき100円。償還期限は2004年8月27日。募集期間は8月18―25日。払い込みは8月28日。利払い日は毎年2月28日と8月28日。引き受けは日興ソロモン・スミス・バーニー証券。

 新株引受権の付与割合は100%で、各新株引受権証券は発行価額総額25万円(割当金額)の新株式を引き受ける権利を表章する。

 新株引受権の行使により発行する額面普通株式1株の発行価額は250円とする。新株引受権の行使請求機関は8月28日から2004年8月26日。売出数は1705枚、売出価額の総額は852万5000円、売出価格は5000円。申し込み単位は1枚。受け渡しは8月29日。