2004年09月01日(水)
 昭和電工の大橋光夫社長は、05年までの中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」後に当たる06年以降のポスト中計の基本的方針について「市況連動型企業からの脱却を図らなければならない」などと語り、付加価値を高めた加工品事業に一段と注力していく考えを明らかにした。また、ポスト中計で主力のアルミ事業部門については「(加工度を高めて)営業利益率で10%程度はいく必要がある」とし、少なくとも200億円の営業利益確保を図りたいとしている。
 財務省が31日に発表した7月の非鉄輸出通関実績によると、このところ内需優先型で推移してきた電気銅が前年同月比で60%近く落ち込み、容易に増産できないなかで一層その傾向が強まっていることを示した。一方、銅と鉛スクラップは増加、非鉄輸出は地金減、スクラップ増の構図となっている。

 電気銅(陰極銅およびその断片)は1万2031トンにとどまり、前年同月から約57%の大幅減。足元では鉱石事情は改善されているが地金増産に直結するものではなく、銅製錬各社は、自動車・デジタル家電向け最終需要堅調を背景とした銅需要に見合った供給余力は有していない。

 一方で、スクラップは拡大傾向にある。銅では中国向けを柱に2万7883トンと前年同月比11%増、鉛では韓国向けを柱に4倍と急伸。
 日本アルミニウム合金協会は先月31日、7月のアルミニウム二次地金・同合金地金等生産実績を発表した。自動車関連部品需要が好調で、出荷は8万7312トンで前年同月比1・4%増となり、6カ月連続で増加した。生産は8万7195トンで5カ月連続増加だった。