2004年09月29日(水)
 国内銅市況が、10月明けに2004年最高値を更新する可能性が出てきた。海外銅相場が、中国の買いや期近現物タイト感の根強さから現地27日に急伸し円安も進んでいることから、最大取引指標の産銅建値が10月積みで本年3月につけた最高値トン当たり38万円を飛び越え、39万円まで上伸する余地が生じているためだ。

 年前半でも、電線・伸銅業界において、銅価急騰から各方面で仮需を生み出すとともに、銅価上昇幅を製品価格に転嫁し切れない現象も起きるなど様々な影響を及ぼした。ようやくその余波の吸収にメドをつけてきた矢先、最高値更新の勢いが関係業界に大きな波紋を投げかけようとしている。
 日本伸銅協会が28日発表した8月の伸銅品生産(速報)は、前年同月比7・9%増の7万6510トン(うち内需は同7・8%増の6万3678トン、輸出は同7・9%増の1万2832トン)となり、11カ月連続で前年実績を上回った。至近5カ年の同月の実績では2000年の8万4885トン、1999年の7万7413トンに次いで3番目に高い水準。品種別では銅条が3カ月連続で単独品種トップとなったが「需要の指標」とされるリン青銅板条は11カ月ぶりに前年実績を下回った。
 日本アルミニウム協会は28日、8月のアルミ圧延品・箔の需給速報を発表した。それによると、生産は、前年同月比6・4%増の18万6088トンと9カ月連続でプラスを記録。また、出荷も同11・2%増の19万1474トンで9カ月続けて増加した。自動車向けなどが好調さを持続するほか、猛暑の影響で缶材が大幅増となり、全体の牽引役となっている。