2004年12月07日(火)
 市況高騰を受けて銅鉱石の供給が拡大する一方、製錬能力増強の立ち遅れから行き場を失った鉱石が出ており、スポット市場で投げ売り状態に入っている。先週末には、買鉱条件であるTC/RCは140ドル/14セントを瞬間的につけたとされ、スポット市場では2005年明け以降、さらに150ドル/15セントまで進むとの見方まである。

 国内製錬メーカーでは「鉱山ではなくトレーダー筋のもので、価格条件が不透明」として、こうしたスポット鉱石に手を出す様子はないが、鉱石市場の変容ぶりを示している。
 日鉱金属は6日、12月積み銅建値をトン1万円引き下げて37万円に改定すると発表した。銅建値は11月まで、入電上昇から円高圧力をはね返して切り上がってきたが、先週末にかけての急落を吸収できず、1カ月強ぶりに反落した。月間平均建値は8500円安の37万1500円。
 非鉄金属専門商社の平和金属(本社=大阪市中央区東心斎橋、北山英彬社長)の2004年9月中間期決算は、猛暑による空調機器部材やその他季節商品の伸びを受けて、売上高は前年同期比13%増の142億円、経常利益は原価見直し活動の「K―50運動」が奏功して同70%増の1億4000万円と増益を達成した。