2005年05月09日(月)
 05年の非鉄金属需給は昨年に引き続き供給不足となるが、不足幅は縮小すると予想される。

 国際銅研究会によれば、世界の銅鉱石生産は8%増と、昨年を上回る増加となる。

 地金生産は8・5%増と鉱石生産を上回る増加となる。チリやザンビアが鉱石同様増加するほか、インドがビルラ、スターライト製錬所の増強で、中国は江西、銅陵、金隆製錬所の増強で大幅増となる。加えて、鉱石供給の拡大による買鉱条件の改善で製錬所の稼働率も上昇する。

 消費は5・3%増と昨年並みの高位横ばいが予想される。

 この結果、世界の銅地金需給バランスは昨年の71万9000トンの供給不足から25万9000トンへと、不足幅が縮小する。しかし、在庫/消費比率は昨年末の3週間から2週間へとさらに逼迫の度合いを強める。
 関東地区故銅市況は、銅建値の下落を受けて、銅系でキロ当たり11円、黄銅系で同7円の下げ幅となった。5月積み銅建値はトン当たり2万円下げて40万円スタート。これはLMEセツルメントが4月下旬からトン当たり100ドル以上急落したことや、為替のドル安円高が背景にある。

 ただ、銅建値の下落は大型連休の谷間であったため、市中扱い筋は様子見。本格商いは本日から。
 大手伸銅N社は先週6日、5月1回目の原料買値を前回(4月3回目)に比べて、銅系でキロ当たり12円、ダライ粉で同8円の大幅値下げとすることを決めた。

 指標となる5月積み産銅建値が海外相場の下落と円高加速を要因に、4月末に比べてトン2万円ダウンの40万円に設定されたことに伴う措置。

 新価格は、ダライ粉が254円、2号銅線310円、ナゲット315円(いずれも120日手形ベース価格)。