2005年09月07日(水)
 電気銅の生産能力増強の動きが広がっているが、能力を決定づける電解設備を更新・増設する際、種板を使わないパーマネントカソード法(PC法)を採用するケースが世界的に増えている。従来法に比べ生産効率が上がるとともに、20%以上コスト低減効果がある優位性を踏まえたもので、日本の銅製錬業界でも大きな競争力強化策として改めてクローズアップれている。

 ただ、電気銅1枚当たりの重量が従来法と異なって大幅に軽くなり、搬送方法の見直しなどユーザーの対応が欠かせず、製錬側ではさらに理解を求めていこうとしている。
 産業新聞社は、先ごろ来日したバークレイズ・キャピタル(ロンドン)の非鉄金属アナリスト、イングリッド・スタンビー氏に、銅を中心に大きな動きをみせる各LME非鉄金属相場の見通しについてインタビューを行った。バークレイズ・キャピタルは、LMEのリングメンバー。

 同氏は、ニッケル相場は今後上昇トレンドの中で、「現在の1万4000ドル水準から来年にかけて1万7000ドルまで上昇するだろう」との見方を示した。
 亜鉛の現物価格が乱高下している。先週末のLMEセツルメントはトン当たり1413ドルに急伸していたが、週明け現地5日は先週末比51ドル安の1362ドルに急反落した。

 世界のLME在庫の40%以上が大型ハリケーンの被災地となった米ニューオーリンズにあることで投機的な買い圧力が強まった。しかし、亜鉛地金を保管している倉庫は高台にあり冠水はしていないとの情報が伝わっており、パニック的な買い圧力は一時的だった。一方で港湾設備などの復旧作業が遅れており、受け渡しなどの面で不安感は残っている。