2006年02月08日(水)
 国内のアルミニウム新地金価格高騰が続いている。足元ではキロ当たり340円台(産業新聞調べ)まで上昇し、1989年1月以来17年ぶりの高値で推移。これを受け、目先の軽圧品価格も先高感が一層強まっている。

 地金の急激な上昇を受け、軽圧業界などでは、製品への価格転嫁を行う一方、アルミから他素材への置き換え懸念も一部で指摘され始めた。
 三菱マテリアルは7日、2月積み鉛建値をトン当たり5000円引き上げ21万円に改定したと発表した。引き続き1990年3月15日の22万円以来の高値圏にある。今回の改定により2月平均建値は20万9000円となった。
 タングステン・モリブデン工業会がこのほどまとめた2005暦年の出荷統計によると、モリブデン出荷は粉末、製品ともに04年比30%を上回る大幅な伸びを記録した。

 デジタル家電向けなどの電子関連が好調だったほか、超硬工具向けの需要も堅調に推移したためだが、一方のタングステンは粉末が微増、製品は6%減少した。国際価格の急騰を受け、タングステンからモリブデンへ素材シフトの動きが鮮明になっている。