2006年06月21日(水)
 日鉱金属は微細粗化処理(YA処理)を施した圧延銅箔(製品名『BHYA箔』)の生産能力を20%増強する。携帯電話のヒンジ部に使うフレキシブル回路基板(FPC)や、液晶駆動IC実装材料のチップ・オン・フィルム(COF)向けに需要拡大が期待できるため。

 生産拠点の白銀工場(茨城県日立市)に約40億円を投資して新建屋を建設し、現在の月産600万平方メートルから2007年度下期は720万平方メートルに増強する。需要動向に応じて840万平方メートルまで増強できる体制も整える。
 日鉱金属は20日、6月積み産銅建値をトン当たり2万円引き下げ84万円に緊急改定すると発表した。月初1日も含め今月5回目の引き下げとなるもので、引き下げ幅もわずか20日で5月末産銅建値99万円に比べてトン15万円もの大幅なものになった。

 新建値の84万円は4月25日以来の低水準。このまま月内に建値が改定されない場合、月間建値平均価格はトン87万9500円となる。
 レアメタル専門商社のアドバンストマテリアルジャパン(=AMJ、東京都港区赤坂1―9―13、中村繁夫社長)は、インジウムやガリウム、セレン、テルルなどのマイナーメタル分野を強化する。

 銅や亜鉛などの副産物として安定供給が期待できるほか、需要先が多様化しているためだ。チタンやタングステン、希土類といった既存のレアメタル分野と並行して本格的に事業展開を図る方針である。