2006年08月16日(水)
 銅価の上昇が一部伸銅メーカーの利益を圧迫している。このほど出そろった国内伸銅メーカー大手6社の2006年4―6月期決算は全社が増収を達成したが、増益は日鉱金属(金属加工カンパニー)と三菱伸銅の2社にとどまり、その他4社は減益となった。

 銅価の高騰が製造ロス分を予想以上に拡大させたため。定価制で販売していた製品で転嫁が遅れたことも影響した。このため各社とも値上げや値決め方式の変更で対応している。
 三菱マテリアルは15日、8月積み鉛建値をトン当たり7000円引き上げ18万円に改定したと発表した。海外相場が堅調に推移していることや為替が円安ドル高に振れていることを受け、5月11日以来約3カ月ぶりに18万円台を回復。月内推定平均も17万6400円となった。
 関東地区故銅市況は弱気配。週明けのロンドン金属取引所(LME)のセツルメントが先週末からトン当たり300ドルもの急落場面となったことから、現在トン当たり96万円で推移している産銅建値に引き下げ懸念が出ている。

 ただニューヨーク商品取引所(COMEX)や場外取引(NYカーブ)は前週末から水準を切り上げている。為替も円安ドル高に振れているため、15日時点まで旧盆休み中の建値緊急改定は回避されている。